バイヤー対統計学

2008.01.07

経営・マネジメント

バイヤー対統計学

野町 直弘
株式会社クニエ プリンシパル

バイヤーと統計学はどちらが優秀か?

先日、購買ネットワーク会のメーリングリストに面白い情報が
流れてきました。

”Electronic decision support for procurement management
 : evidence on whether computers can make better procurement decisions”

というものです。

全文を読んでいないのですが、つまり、購買取引の実験を
「購買マネジャー」と「新人」が「統計学」を使ってやった場合を比較して、
「購買マネジャーが下したソーシングの結果よりも、
新人が“統計学”を使ってソーシングを決定した方が、良い結果が出た」
というものです。

世の中には面白い研究をしている人がいるものです。

この論文が書かれたのは2003年9月と、かなり古いのですが、
その当時は、購買業務でもリバースオークション等が普及し始めた頃であり、
意思決定支援システムを実際の購買業務で活用するようなツールも
その後米国ではでてきています。

これを否定的に捉えると、

 1. そもそも実験自体の有効性があるのか?
  (実際の現場はより複雑な環境、事象である)
 2. 決定すべき価格レベルが推計されたとしても、
  売る側(サプライヤ)の同意がなければ売ってもらえない
 3. サプライヤとは中・長期の関係性を保つ必要があるから、
  価格だけ安くすることを考えているわけではない
 4. サプライヤーとの協業のなかでVE等の提案を受けるような
  やり取りができない
   等々

逆に肯定的に捉えると
 1. そもそも、分析とか、交渉業務などはバイヤーの戦略的な
  業務ではないから統計に任せることには賛成
 2. 統計的処置はあくまでも意思決定支援のためのものなので、
  こういうロジックを上手く使いこなすことが必要
 3. 新人+統計でバイヤーの人件費削減につながる
 4. 現在の購買はモジュール化、グローバル化、集中購買化等、
  多くの購買パターンが想定できる。
  人手による最適化は思い込みに走りやすく、
  早期に意思決定を行うためにもこういうロジックや
  ロジックを盛り込んだシステムの活用は有効である

ちょっと考えただけでも、
これだけのネガティブ、ポジティブな意見がでてきます。

私自身はこの論文に対しては賛成、反対、どちらとも言えません。

ただ一つだけ言えるのは、「この論文は高すぎる!」ということです。

US $ 30.00ですよ。PDF(215K)で。。

それだったら坂口さんの書籍とか、
弊社の鬼沢さん執筆本「図解でわかる生産の実務 購買管理」とか、
PDF版「世界一の購買部を作ってみろ!」を買いますよね。

この論文の価格も統計学的に分析して値段をつけてくれればよかったのに。

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野町 直弘

株式会社クニエ プリンシパル

NTTデータグループのコンサルティング会社である株式会社クニエの調達購買改革コンサルタント。 調達・購買分野に特化したコンサルティングを提供している株式会社アジルアソシエイツの元代表。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルがサービス提供を行います。

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