ファミレスに未来はあるのか?

2007.04.19

経営・マネジメント

ファミレスに未来はあるのか?

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

先日の夕方、仕事の合間に夕食を取るため、 都内某所のファミレス「D」に入ったんですよ。 夜のピーク前の6時台で、お客さんはパラパラといる程度。 ホール係のスタッフは3人くらいいました。 最近のファミレスには、最初からあまり期待していないのですが、 それにしても、がっかりすることが多いですね。

今回の場合、いつまでもお冷、おしぼりが出てきませんでした。

しばらくメニューを眺めている間も、パスタを注文した後に
フォーク・スプーンをセットしに来た時も、
私のテーブルにお冷、おしぼりがないのに気づかなかったようです。

明らかにサービスの適性に欠けているスタッフ・・・

やっぱり、こちらから頼むしかないかと思ったころ、
社員らしき男性スタッフが気づいて持ってきてくれました。

そして、頼んだパスタの味はごく普通。
でも、値段は一丁前に高い。

そもそも、ファミレスのメニューは変わり映えがしない。

食べたくなるものがなく、選ぶのに困ったあげくの料理が
これかい!と再びがっかりです。(+_+)

1ヶ月ほど前に、家族で入った別のファミレス「S」では、
土曜日のお昼直前でしたがホール係が1人しかいませんでした。

しかも、なぜだか厨房に引っ込んでいることが多く、
お客さんがそれほど多くないにもかかわらず、
あちこちのテーブルにまだ片付けられていない食器が
放置されたままでした。

このところ、ファミレスを始め飲食業界は空前の人手不足です。
教育もままならないのでしょうね。

どのファミレスにいっても、
上記のようなサービス低下をはっきりと感じます。

あなたも経験ありますよね。こんながっかりすること。
外食に行く時、ファミレスはなるべく避けたいなあと
思い始めてませんか?

ファミレスといえば、ハレの日にワクワクして出かける場所
だった時代が懐かしいです。

顧客の立場ながら、現在のファミレスの凋落ぶりには
情けないものを感じますね。

実は、このサービス悪化に拍車をかけているのが、

「多店舗展開」

だそうです。

人手が足りない状況で、なぜ店を増やさなければならないのか。

それは。上場企業の場合に特に顕著ですが、
売上を維持、また向上させ続けない株価が下がるためです。

また、上場していなかったとしても、
企業として成長し続けようと思ったら、店舗を増やすしかない。

ところが、個店では先に紹介したようなサービス品質が
ますます低下するので来店客が減り、店舗あたりの売上が下がる。

それを補うために、さらに店舗数を増やさなければならない
というドツボの悪循環にはまっていると言えそうです。

ですから、すかいらーくグループが、
収益を求めるだけの株主の意向に左右されず、長期的な視点で
抜本的な改革を行うため、MBO(経営陣による買収)で
非上場化に踏み切ったのは英断だったと思います。

それにしても、ファミレスに未来はあるんでしょうかねぇ・・・?

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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