宮崎駿作品・創作の秘密

2007.04.18

営業・マーケティング

宮崎駿作品・創作の秘密

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

唐突な質問で恐縮です。(^_^; 伝統的な日本建築と西洋建築の違いをご存知ですか? 以前ある講演会で、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが、 次のようなことをおっしゃってました。

西洋建築の場合、全体設計図をまずかっちり作成する。
そして、実際の施工を始める。

一方、伝統的、つまり古来の日本建築では、全体設計図なしで
いきなり、お座敷のような部屋を一つどんと作ってしまう。

そして、その部屋を出発点にして横に部屋を増やしたり、
廊下をつけたりして、大きくしていく。

つまり、西洋では「全体」ありきなのに、
昔の日本では、「部分」からスタートしていくやり方だった
というわけです。

なぜ、鈴木敏夫氏がこんな話をされたのかというと、
スタジオジブリの一連の作品の映画製作方法は、
こうした、伝統的日本建築のやり方に近いからです。

スタジオジブリ、というより宮崎駿監督のやり方が
そうだということなんでしょうけど。

先日のNHKプロフェッショナルでは、
数ヶ月に渡り宮崎監督に密着取材しており、現在製作中の新作、

「崖の上のポニョ」

がどうやって作られていくのかを知ることができました。

同番組をご覧になったかたはお分かりだと思いますが、
まさに、伝統的日本建築的でしたね。

まず最初に「1枚のイメージボード」が
出来上がらないと、映画製作が始まらないのです。

新作の主人公「ぽにょ」というのは、人面魚です。
宮崎作品としては初めて海が舞台になる。

宮崎監督は、ぽにょのいわば「本質」を表わしている

「1枚のイメージボード」

が描けるまで、さんざん悩み試行錯誤をします。

そして、ようやくその1枚ができると、
そこからイメージを膨らませ、ストーリーボードを
追加していく。

その後、スタッフとともに怒涛の映画製作に入るのです。

なぜ、宮崎監督は、このような方法を取るのか。

それは、ありきたりのストーリー展開で
先が読めてしまうのを避けるためのようですね。

「わかんないけど、面白いというのが一番いい」

のだそうです。

そんな、「謎解き」のような映画を作るためには、
理屈・論理でつくってはだめ。

だから、あえて全体を見据えることをせず、
「部分」からスタートする。

実際、宮崎作品のストーリーは呆然とするような展開を見せ、
頭(理性)で理解しようとするとよくわからないことが多い。

でもなぜだか不思議な魅力がある。

人は、本能的に好奇心が強く、

「よくわからないもの」

が好きなんですよね・・・

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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