新しい調達・購買部門の姿

2015.05.28

経営・マネジメント

新しい調達・購買部門の姿

野町 直弘
株式会社クニエ プリンシパル

これからの日本型調達購買部門のモデルについて語ってみます。

昨年末のメルマガでも書きましたが、私は昨年あたりから日本企業における調達・購買部門(機能)に対する期待が変わってきていることを最近もよく感じます。10数年前の日本企業の調達・購買は「ブラックボックス」かつ「属人的」という言葉があてはまった前近代的な世界でした。それが近年は欧米方式の「体系化」「システム化」「合理主義」が入ってきたのです。これが最近までの調達・購買改革の流れと言えます。この10数年で日本企業の調達・購買部門は単なる「買いモノ屋」から「便利なコスト削減請負人」に位置づけられるようになりました。しかし近年調達・購買部門(機能)に対する期待はここから変わりつつあります。私が昔から使ってきた言葉ですと「ビジネスモデルへの貢献」がより求められてきているのです。米国サプライマネジメント協会の発表ではこれを「イノベーション購買モデル」と言っています。

昨年末のメルマガで、私はこれからの調達・購買は、サプライヤとの協働とサスティナビリティ-が重要になる、と書きましたが、この流れはより一層現れてきているようです。例えばある企業では5年前まではサプライヤ集約を行い大きなコスト削減を実現してきましたが、その同じ企業が今は戦略パートナー制度を採用し、優秀なサプライヤとの協働による自社製品の差別化を図ろうとしています。同様に優秀なサプライヤの囲い込みを行い関係性を強化しようという動きは様々な企業で見られるのです。

これらの流れを見ていると、以前はやや抽象的であったこれからの新しい購買・調達部門の(期待される)姿がおぼろげながら見えてくる気がします。その点について述べる前にまずは購買・調達部門(機能)に対する期待について整理してみましょう。

多くの企業で購買・調達部門(機能)に対する期待は何か、と問われると、まず最初に上げられるのはコスト削減(最適化)です。これはもちろんQCDの最適化が条件であり、安かろう悪かろうではないことが前提となります。それから2点目は業務コストの最適化です。当然のことながら成果に見合う以上の業務コストをかけていればその部門(機能)の意味はありません。その点から自部門だけでなく、社内ユーザー部門他も含む業務コスト削減(最適化)にも継続的な期待が求められます。3点目は社内統制、管理です。先ほど述べたサスティナビリティーとは安定的かつ適正な調達活動を継続するということあり、正に社内統制、管理の期待から出てきているキーポイントと言えるでしょう。
これらの3つの期待はその優先順位や度合の差はあれど、調達・購買部門(機能)に対する従来から上げられていた期待や目的です。

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野町 直弘

株式会社クニエ プリンシパル

NTTデータグループのコンサルティング会社である株式会社クニエの調達購買改革コンサルタント。 調達・購買分野に特化したコンサルティングを提供している株式会社アジルアソシエイツの元代表。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルがサービス提供を行います。

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