新社会人に贈る2015 ~働くという「鐘」「山」はとてつもなく大きい

画像: N.Muray

2015.03.26

仕事術

新社会人に贈る2015 ~働くという「鐘」「山」はとてつもなく大きい

村山 昇
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

この春、社会人となり職業を持つみなさん、おめでとうございます。これから何十年と続く仕事人生の出発にあたり、2つのメッセージをお伝えします。


みなさんの職業人生はこれから何十年と続きます。けっして短気を起こさず、地道に能力を身につけ、意志を強く育み――すなわち、それが丸太を担ぎ、鐘をたたけるような力を持つということ――、目の前の仕事にひとつひとつ当たっていってください。すると中長期的には必ず思いどおりの音が鳴り響くようになるはずです。そしてその深く遠くまで響く音は、周囲の人にもよい影響を与えるものになるでしょう。


◆「10年後どうなっていたいか?」という質問に答えられなくてもよい
2つめの話に移ります。私は入社3年~5年目くらいの若手社員にキャリア研修を行っています。すると、少なからずの人たちから「いまの会社・いまの仕事で何を目指していけばよいのかわからない……」といった声が漏れ聞こえてきます。

就職活動のときは、あれほど志望動機を考えたはずなのに、いざ入社してみると、仕事の内容や会社の様子が実は思っていたものと全然違ったものであったり、あるいは予想外のところに配属されたりして、でも、ともかく目の前の仕事をこなすことにてんてこ舞いになる。そして働き始めて数年も経てば、当初の志望動機は知らずのうちに消え去ってしまっていて、「あれ、自分はこの会社でいったい何をしたいんだろう?」となる。

たぶん、これを読んでいるみなさんの中にも、入社して数年後にはそうやって悩む人が出てくるでしょう。そんなときのために、キャリア形成には2つのタイプがあることをお伝しておきましょう。

◆頂を目指す「登山型」/穏やかに回る「トレッキング」型
もし、あなたが職業人として一心不乱に没頭できるキャリア上の目標像・到達点が確固とあり、そこに邁進しているのであれば、それはとても幸福な働き人です。どんどん突き進めばよい。しかし、世の中には、そういった明確な目標が見出せない人のほうが圧倒的に多いものです。特に会社員の場合は、自分の配属は自分で決めることができず、中長期の目標を見出しづらい存在です。しかし、このことにめげる必要はまったくありません。山の楽しみ方に、「登山」と「トレッキング」というタイプがあるように、キャリアにもこの2つのタイプがあるからです。

登山の場合、目標はただ一つ「登頂」です。その結果を得るためにあらゆる努力をしていく。頂を目指す途中、道草はしない。

つまり、「登山型のキャリア」とは、「プロ野球選手になってホームラン王をとる!」とか「弁護士になって多くの人を助けたい!」、あるいは「新薬開発の先進企業に入ってガンの治療薬をつくりたい!」「この会社でNo.1の営業マンになる!」などのように、唯一絶対の頂上を決めて脇目も振らずそこを目指すキャリアです。

他方、トレッキングの場合は、登頂のように明確な目標をあらかじめ掲げるわけではありません。山の中を回遊して、何か自分のお気に入りの場所を探すというその活動自体を楽しみにするものです。途中でたまたま見つけた滝や池が気に入れば、しばらくそこにたたずんでその居心地を楽しめばいいし、道端に咲く植物をいろいろと観察しながら時間をかけて歩くのもいいでしょう。そうした過程で山の奥深い細かなものがさまざま見えてくる。

すなわち、「トレッキング型」のキャリアは、「自分は絶対ここを目指すぞ」というような目標は思い浮かべていない(浮かべられない)けれども、会社内でいろいろな部署を経験したり、場合によっては転職したりして、働く環境を変えつつキャリアを形成していくスタイルです。あるときは営業現場で商品を売ることの楽しみや苦労を知ったり、あるときは企画部門で新しいアイデアを打ち出すことの奥深さや大変さを知ったり。また、業界を越えて転職したときなどは、業界ごとで仕事に対する考え方がこんなに違うんだ、と感じることもあるかもしれません。

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村山 昇

キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。

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