超高齢社会の何が本当の課題なのか

画像: Steven Pisano

2015.02.10

ライフ・ソーシャル

超高齢社会の何が本当の課題なのか

日野 照子
フリーランス ライター

高齢社会白書を読んだことがありますか。現状を把握して、超高齢社会に対処しよう。

 前出のグラフは今を境に、あくまでも「現状」を元に計算した推計値だ。医療の進歩でもっともっと老人の比率が増えている可能性もあれば、技術の進歩で少ない人手で高い生産性を維持できているかもしれない。少子化対策は現実味がないので人口増は難しいと思うが、移民増で労働人口減少に歯止めがかかるかもしれない。そもそも、この「65歳以上の人口を15歳~64歳で支える」という無理な設定から見直した方がいいだろう。教育を優先して15歳~22歳を労働人口から外し65歳~74歳を代わりに組み入れた方がいい。実のところ、国や制度は社会の変化を追いかけるだけである。未来はいくらでも変わる。

 実は、掲題の「超高齢社会の本当の課題は何か」というのは、さる大学院の社会人講座で投げかけられた課題である。もちろん、「正解」はない。自分の頭で考えてみよう、というのが主眼だ。解決できない課題はない、と思って長年仕事をしてきたが、社会問題はそうもいかない。当たり前だがステークホルダーが多く問題が多様すぎて、本質的な課題に絞り込むことすらできない。結局のところ、分割して部分最適を積み重ねるしかない。それが社会問題というものだ。自分に直接関係のないことについては、人は無関心になる。なんとなく、問題だとは思っても、それ以上深くは考えない。社会貢献とか言うけど、やっぱり儲けたい。それでいいと思う。要はどれだけ多くの人が、自分のこととして問題に取り組むかにかかっている。

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日野 照子

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いつか時代は変わる。言葉は世界を変え、思いは伝播していく。誰かが誰かを抑圧し、搾取する社会を変えたい。

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