調達購買資材部門ベンチマーク調査結果について

2015.01.08

経営・マネジメント

調達購買資材部門ベンチマーク調査結果について

野町 直弘
調達購買コンサルタント

昨年の9月中旬~10月にかけて皆様にご協力いただきましたアンケート調査のレポートについて取り上げます。

「全支出に占める調達部門が管理している支出金額比率」については今回回答平均は56%であり、米国平均は83%です。とても大きな差があります。この点については現状の日本企業の調達購買部門の課題と言っても差支えないでしょう。この比率は一般的に『調達購買カバー率』と言われますが、最近では『カバー率』を主要KPIとして管理し始めている企業も少なくありません。ただし『カバー率』向上を課題として捉えはじめたのはつい最近であり、まだまだ向上の余地があることが今回の調査からも浮き彫りになっています。

もう一つの「調達部員1人当りの平均年間費用」ですが、今回回答平均は877万円と米国平均の127千ドルとで大きな差が見られます。為替レートの変動もあるので単純な比較はできませんが、1ドル=120円で換算すると米国は1524万円です。つまり今回調査に対して米国は1.7倍の費用がかかっているということです。私は今回の調査結果が「想定していたより安い」つまり日本企業の877万円という費用が安いことに驚きました。通常人件費だけでなく福利厚生その他諸々の経費を合わせると日本国内の人件費は平均で1200~1500万円程度、低くても1000万円は超えるという認識だったからです。この点に関しては既に日本企業の調達購買部門においてLCB(ローコストバイヤー)活用が進んでいることが理由の一つとして上げられます。実際に今回調査の過程で何社かに「低すぎませんか?」という確認をしたところ「グローバル化が進んでいるので正しい」というコメントをもらいました。このように日本企業においてLCB活用は既に進み始めているのです。

『調達購買カバー率』の向上については2013年10月29日号のメルマガ「管理可能な支出を増大せよ!」でもふれています。
http://www.agile-associates.com/2013/10/20131029.h...
また『LCBの活用』についても2013年12月24日号のメルマガ「LCBとオリンピックと内なる国際化」でもふれています。
http://www.agile-associates.com/2013/12/20131224lc...

今回のこの2項目の調査結果は日本企業の調達購買部門の課題や実態をより反映させた特徴的な内容と言えるのではないでしょうか。

是非「調達購買資材部門ベンチマーク調査報告」をご覧になって自社の調達購買部門と定量的な比較をしてみてください。
http://www.agile-associates.com/2015/01/vol21_2014...

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野町 直弘

調達購買コンサルタント

調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。

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