BtoB営業における行動力格差

2013.10.13

営業・マーケティング

BtoB営業における行動力格差

小倉 正嗣
株式会社リアルコネクト 代表取締役

最近、営業コンサルタントが活動量を増やす事を絶対的な売上改善手法であると語るケースが多くなっています。その風潮に一石を投じるために書き記しました。

このところ、ビジネスマンのスキル格差を語る際に、行動力格差という言葉がよく出てきます。1990年代は知識格差、2000年代は情報格差、そして2010年代は行動力格差だそうです。

日本にMBA教育が根ざしていなかった1990年代には、米国のMBAで知識を多く得ているビジネスパーソンが重宝されました。逆に、日本のものづくりの知識を、欧米諸国がこぞって我が物にしようと学んでいたのもこの頃の話です。1990年代は、まだまだ国家間の知識流通が潤滑に行われていなかった為、知識の移転だけでも十分に価値がありました。

2000年代に入ると、インターネットによる情報革命が起こります。もちろんインターネットという技術は1980年代からありましたが、本格的に一般人のレベルにまで広がったのは、ブロードバンドが普及した2000年代です。インターネットの日本国内での普及率は2000年の30%台から始まり、2009年には80%に迫るところにまで成長しました。その間に、日本国民が総じて情報をインターネットを通じて得ることに馴染んでは来たものの、個人的な情報技術活用のスキルレベルはマチマチであり、そこに情報格差という名のスキル格差が存在したのです。

そして、2013年現在。
既にインターネットを利用しさえすれば、世の殆どの情報に対してアクセスできることは、ほとんどのビジネスマンにとって既知の状態になっています。商品情報や顧客情報、経営や会計、法律、ITの知識、その気になれば何でもインターネット上で入手可能です。スマートフォンやタブレット等のユーザーインターフェイスも充実したので、だれでもどこでも情報にアクセスが可能となり、ユーザーのリテラシーの格差による情報格差はなくなってしまったと言って良い状況です。

そこで現れてきたのが行動力格差という言葉です。知識や情報による格差は既に科学技術により埋まってしまいました。それならば、行動力という人間の意思が反映するビジネスリテラシーによって格差を生み出そうとしているわけです。

確かに、行動力というものは個人差がでます。なぜならば、行動というのは実に億劫な存在だからです。「知っていると出来るということは違うことだ」とはよく言ったもので、成功する方法をなんとなく書籍等で読み知っていたとしても実行に移さないということは古今東西人類の大多数が体験したことのある事実でしょう。

確かに、この人間にとって億劫な「行動」という存在が、知識や情報が満たされた時代だからこそ再度クローズアップされるのはわかるような気がします。

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小倉 正嗣

株式会社リアルコネクト 代表取締役

【自己紹介】 BtoB営業組織改革・新規事業開発を専門とするコンサルタント。新規事業企画担当者・営業マネージャー・B2Bマーケッター・営業マン向けのセミナー/研修/ワークショップの講師・ファシリテーターを中心に営業組織改革、新規事業開発支援等のコンサルティングを行っている。 【保有資格】 中小企業診断士・経営管理修士(MBA)・日本酒利酒師

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