部下の強みと弱みを把握する方法

2013.08.28

組織・人材

部下の強みと弱みを把握する方法

今野 誠一
株式会社マングローブ 代表取締役社長

上司(管理職)に必要な要件といった話題の時に、「部下の強みと弱みを把握していること」という項目が上がることがある。 いったい何のために「部下の強みと弱みの把握」が必要なのか。

上司(管理職)に必要な要件といった話題の時に、「部下の強みと弱みを把握していること」という項目が上がることがある。
いったい何のために「部下の強みと弱みの把握」が必要なのか。

一般的に言われているのは、ひとつは「教育」のため。

強みと弱みを把握し、強みはより伸長させ、弱みは克服するための支援をするのが、上司の仕事であると。しかし、現実はどうかというと、そんなに丁寧に部下と向き合っている管理職がどれだけいるものか。基本姿勢としてはいいと思うのであるが、難しいのは、強みと弱みというものが、そんなに分かりやすいものではないという点。資格試験のように点数が出て、絶対的に評価できればいいのであるが、これが実に難しい。「積極性」だとか「問題意識」などのように、姿勢や意識が強味などという場合には、これはもうほとんど受け止める人の人数分受け取り方が違ってもおかしくない。


さらなる問題は、組織の中では、一つの特性が好き嫌いで長所にも短所にもなってしまうことがあるということ。

例えば「感受性が鋭い」という特性があったとして、その人を好意的に見ている人からすれば「感受性が鋭い」ということになり、その人を好意的に見ていない人からすれば「過敏」ということになったりする。同じ人を見ているのに、である。このように、「好き嫌いのバイアス」というものは、人と人の関係性においては、どうしても避けて通ることができない。特に、中小企業の場合に、社長がこの「好き嫌いのバイアス」で社員を見てしまうと、早晩破滅が待っている。

で、何が言いたいかというと・・。

一般常識的に言われている、上司が、社員の強み弱みを断じるようなことはむしろしないほうがよい。強みも弱みも全部ひっくるめて、部下を好きになること。できれば、大好きになることをお勧めしたい。そうすると、弱みは大幅に縮小され、下手をすると、強みばっかりで弱みは気にならないということにもなりうるのである。

「しかし、そうは言っても、強みと弱みの把握は重要なのでは?」

という声が聞こえて来るのであるが、それは心配はご無用。

本人の強み弱みは、本人に考えてもらえばよい。上司はそれを丁寧に聞いて、信じること。

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今野 誠一

今野 誠一

株式会社マングローブ 代表取締役社長

組織変革及びその担い手となる管理職の人材開発を強みとする「組織人事コンサルティング会社」を経営。 設立以来15年、組織変革コンサルタント、ファシリテーターとしてこれまでに約600社の組織変革に携わっている。

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