「幸福を感じ取る器」は大きい方がよいか/小さい方がよいか

2013.07.29

仕事術

「幸福を感じ取る器」は大きい方がよいか/小さい方がよいか

村山 昇
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

「2」の器で「2」をすくい取っている状態が幸福か、「10」の器で「4」をすくい取っている状態が幸福か……あなたの幸福観をめぐる思索実験です。

───“Wonderful World”by Sam Cooke


歴史のことなんかよく知らない
生物学なんかよく知らない
科学の本のことなんかよく知らない
履修したフランス語のことだってよく知らない
でも、僕は君を愛していることを知ってるさ
君も僕のことが好きだって知ったなら
どんなに素敵な世界になるだろう

地理のことなんかよく知らない
三角法なんかよく知らない
代数学のことなんかよく知らない
計算尺を何に使うのかだってよく知らない
でも、「1+1」が2だってことは知ってるさ
そしてその1が君だったなら
どんなに素敵な世界になるだろう
……


□『新・平家物語』(吉川英治);最終章「吉野雛」
平家一族は、保元・平治の乱という争いを経、70年に及ぶ栄枯盛衰の物語に幕を閉じます。吉川英治さんは長編歴史小説『新・平家物語』を締めくくるにあたって、庶民の老夫婦を登場させます。老夫婦は吉野の桜を見に来ており、旅籠でこしらえてもらった弁当をひざの上に広げて、二人、山桜を眺めている───(以下、引用)

自分たちの粟ツブみたいな世帯は、時もあろうに、あの保元、平治という大乱前夜に門出していた。───よくもまあ、踏み殺されもせずに、ここまで来たものと思う。そして夫婦とも、こんなにまでつい生きて来て、このような春の日に会おうとは。
絶対の座と見えた院の高位高官やら、一時の木曾殿やら、平家源氏の名だたる人びとも、みな有明けの小糠星(こぬかぼし)のように、消え果ててしまったのに、無力な一組の夫婦が、かえって、無事でいるなどは、何か、不思議でならない気がする。

「ほら、鶯(うぐいす)が啼いてるよ。あれも迦陵頻伽(かりょうびんが)と聞こえる。極楽とか天国かというのは、こんな日のことだろうな」
「ええ、わたくしたちの今が」
「何が人間の、幸福かといえば、つきつめたところ、まあこの辺が、人間のたどりつける、いちばんの幸福だろうよ。これなら人もゆるすし、神のとがめもあるわけではない。そして、たれにも望めることだから」

続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

村山 昇

キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。

フォロー フォローして村山 昇の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。