主体性を育むタブレット授業~千葉県立袖ヶ浦高等学校~

2013.06.21

ライフ・ソーシャル

主体性を育むタブレット授業~千葉県立袖ヶ浦高等学校~

寺西 隆行
(株)Z会

タブレットを用いた授業を取り入れている、千葉県立袖ヶ浦高等学校の授業見学記。 そこにいたのは、主体的に学習する生徒たち―

千葉県立袖ヶ浦高等学校。「情報コミュニケーション科」が、タブレットを用いた授業で全国的に有名な学校です。2012年度の日本e-Learning大賞を受賞されていますね。

様々な試みを実行に移す原動力となっているのは、永野直先生(←KDDI野本竜哉さまの共有Evernoteへのリンクです)。講演を拝聴し、「一度授業を拝見したい!!!」と強烈に思い、お願いしたらありがたいことにご快諾を頂き、Z会のメンバー計4名で4時限分、見学させていただきました。
Z会でもデジタルZでタブレット学習に取り組んでいます。

授業の様子がわかる写真がこちらです。

真剣さが伝わってきませんか?
補足)写真の撮影および公開は許可を得た上で行っています。

袖ヶ浦高校のタブレット授業導入、内容の素晴らしい点は後述しますが、それより前に、導入の仕方として感心するのは、「制約条件を最大限に活かす」ことができている点です。
たとえば、一番の制約条件となる、お金の問題。
学校の予算で購入することは公立学校では厳しいので、各自で購入させることで逆にBYOD(Bring your own device)の考え方を浸透させています。
この結果、自分の学習結果などを「自分のこととして」3年間分ため、学習の振り返りにも使える上、(将来的には)思い出にもなることが期待できますよね。
参考記事:制約条件を活かせ!:馬路村の伝説
他、フリーソフトを最大限に活用したり、と、制約を言い訳にしていないところが、ビジネスマンにも学ぶべきところ、たくさんあります。

全体の仕組みを作った永野先生とタッグを組み、生徒の力を伸ばすのは、実際に授業する先生方。彼らもまた、情報コミュニケーション科が育もうとしている、「情報活用能力」「コミュニケーション能力」「論理的思考力」「情報モラル・セキュリティ対応力」の4つの力をつけるため、一生懸命授業に取り組んでいます。

そんな授業を見学し、「タブレット授業のここがすごい!」と感じたところを3点挙げてみます。

1.学習環境におけるフローとストックの情報を最大限に活用

こちらの写真は「国語」の授業。
教科書に出てくる文章の考察で、日本人と外国人の「水の流れ」に対する美意識の違いをイメージするために、ネットから画像を集め、電子黒板に投影している様子です。

生徒が探し出してきて、タブレット上の共有ファイルに投稿した画像が次々に電子黒板に表示されます。それらを見ながら別の生徒が別の写真を投稿する、これは学習環境の同時性を利用した、見事なフロー情報の活用です。
そして、ある一定の数が集まったとき、水の流れの特徴別に分けて保存、この段階でストック情報として使えます。

次のページ2.「失敗してもいいんだ」という学び

続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

寺西 隆行

寺西 隆行

(株)Z会

文部科学省広報戦略アドバイザー 経済産業省「未来の教室」教育・広報アドバイザー 三島市GIGAスクール推進アドバイザー 等

フォロー フォローして寺西 隆行の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。