情報オープンと情報発信が調達・購買部門の地位向上につながる

2013.04.05

経営・マネジメント

情報オープンと情報発信が調達・購買部門の地位向上につながる

野町 直弘
株式会社クニエ プリンシパル

私が尊敬するある企業の購買部長は「情報オープン」に対して常に積極的です。何故なら情報はオープンにしない限り情報は集まらないというのがその購買部長の信念だからです。

先回ご紹介しました鶴田国昭さんの「資材管理が経営を変える」(日本資材管理協会発行)の著書にこういう記述がありました。
従来の「調達・購買・資材部門は情報を社内外に対してオープンにしない。社内外に対して情報公開をするところから改革がはじまる」と。
鶴田様は同著でコンチネンタル航空資材部長時代にサプライヤー向けに月刊でニュースレターを発行していることを取り上げています。
このニュースレターは「Working Together」というタイトルで内容はコンチネンタル航空のニュースやその時々のテーマに関する鶴田様のコラムだけでなく何社かの代表的なサプライヤーからのレポートや最新の話題を取材して載せているものだそうです。特にサプライヤーの製品やサービスがどのように使われており、どのような結果につながっているのかを知らせていることに力を注いだとのことです。これによりサプライヤーがより最終ユーザーの立場で状況を見てもらうことができ、親身に協力してくれるようにすることが狙いの一つとのことでした。

一方、先日参加した上海購買ネットワーク会でも同様の取組みが行われていることを偶然聞くことができました。海外IPOや海外調達拠点のプレゼンスを高めるために社内に対して月次でニュースレターを発行している、ということです。
実際のサンプルを見せていただきましたが、かなりのボリュームで中国経済の動向や各市況の状況、中国での生産状況やサプライヤーの状況など、結構時間をかけて作られているな、と感じました。
最初に上海で発信し始めた時には社内の上からは「こんな情報流すな」というような話もあったそうです。それでも情報発信を続けることで社内の色々な人間から注目されるようになり、色々な問合せが来るようになったり、情報が取りやすくなったりしたそうです。結果的には最初に反対していた上もそのうちその価値を認め反対しないようになったようです。このニュースレター等による海外からの情報発信は何も一社だけの話ではなく、数社でやられているようでした。

私が尊敬するある企業の購買部長は「情報オープン」に対して常に積極的です。何故なら情報はオープンにしない限り情報は集まらないというのがその購買部長の信念だからです。その購買部長はそのことをある購買改革先進企業の購買部長から以前言われたとのことです。当然のことながらオープンにできる情報とオープンにできない情報があるでしょう。しかし私から見ると多くの企業がオープンにできないと言っている情報の8割方は殆ど既知だったり一般的なモノだったりします。一方で先の購買部長がおっしゃる通り情報はオープンにしないと集まりません。そういう面で「情報オープン」は大きな意味があります。
「情報オープン」し「情報発信」をすることは他にも大きな意味があります。
それは先のニュースレターの事例でもあったような社内外でもプレゼンスを高めることにつながるのです。

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野町 直弘

株式会社クニエ プリンシパル

NTTデータグループのコンサルティング会社である株式会社クニエの調達購買改革コンサルタント。 調達・購買分野に特化したコンサルティングを提供している株式会社アジルアソシエイツの元代表。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルがサービス提供を行います。

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