11月21日の日経新聞東京地域版にひっそりと載っていた記事。<東京ムツゴロウ動物王国25日で閉園>。 来園者数が低迷し運営会社が破綻。畑正憲氏の個人事務所が踏ん張って運営を続けたものの、ついに閉園を余儀なくされ動物を北海道に連れ帰るという動物王国。その失敗原因は果たして何だったのだろうか。
以上のように、やはり製品戦略たるコンテンツの魅力に最大の原因があったのだが、例えばProduct以外のPで補うこともできたのだ。
例えば、コンテンツが犬・猫・馬だけだったとしても、もう少し都内近郊にあれば、ちょっと気楽に出かけるスポットとなったかもしれない。
料金も冬は割引して大人1000円だったようだが、最初からその料金設定にすればサマーランドのついで利用もあったのではないだろうか。1700円では、例えば子供向けの映画に親子で出かけるのと、料金的にはそのまま競合することになる。比較したときにどれだけ魅力と手軽さがあるか。
もちろん、動物を飼う敷地や立地の問題もあっただろうし、運営コストからの積み上げで料金設定をせざるを得なかったのかもしれない。しかし、そこにどれだけ来園者、即ち顧客視点が配慮されていたのか疑問が残る。「東京の人に動物とのふれあいの場を提供したい」という熱い思いがあったのかもしれないが、そもそもの北海道の王国と異なる存在がどれだけ人々から支持されるか熟慮が足りなかった点が問題の根本であるといえよう。
王国といえども顧客視点が欠かせなかったのだ。
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。
