「コブクロ」に学ぶ顧客志向

2007.04.16

営業・マーケティング

「コブクロ」に学ぶ顧客志向

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

小渕健太郎と黒田俊介 二人の姓(コブチ、クロダ)を組み合わせたから、 「コブクロ」 なんですね。 一度聞いたら忘れられない奇妙なネーミング。 マーケティング的センスとしては最高ですよね。 (彼らは、意識してなかったんでしょうけど)

コブクロの結成は、1998年です。
二人は、堺東の商店街の路上ライブで知り合いました。

地元大阪出身の黒田は、数年前からこの商店街で一人、
路上ライブをやっていたのです。

一方、宮崎出身の小渕は、関西に就職のために出てきており、
毎週土曜日だけ、この商店街で路上ライブをやりに来てました。

小渕の才能を高く買っていた黒田はある日、小渕に

「何かオリジナル書いてくれ!」

と頼んだそうです。

「いいよ、君のために1曲書いてあげる」

小渕は快諾。

1週間後に、黒田は、ギタコード付の楽譜を受け取りました。

しばらくして、小渕が黒田のライブを見に行くと、
歌は歌っているけれど、手元のギターはちゃんと鳴っていない。

「黒田はろくにギターが弾けない」という事実を
小渕はその時初めて知りました。
(ギター弾けないのに、よく弾き語りやってたもんですねぇ!)

「じゃあ、俺が弾いてあげるよ」

小渕が黒田のギターを持ち、黒田はボーカルに専念。
2人で適当に合わせて歌い始めました。

「コブクロ」誕生の瞬間です。

そしてこの曲の名こそ、あの「桜」。

さて、コブクロは、2001年に

”YELL~エール~/Bell”

でメジャーデビューを果たしました。

この1stシングルはそこそこの成功を収めます。

ところが、以降のCDはなかなか最初のシングルを
超えることができなかったそうです。

CDに対する顧客の反応は、いい時はいろいろ
書いて送ってくるけれど、良くない時は無反応
なんだそうです。

このため、曲作りに多少行き詰まりを感じたことも
あったようです。

しかし、救いは「ライブ」でした。

彼らがライブをやる時、イントロをちょっと短くするなど
曲のアレンジを変えてファンの反応を見たのです。

そうやって、曲のこの部分はやっぱり長すぎるねとか、
こう変えたほうがいいという工夫を重ねた。

「コブクロ」が生み出す「楽曲」いう商品を、
顧客の反応を見ながら磨き上げていったわけです。

こうした努力の結果が、今の爆発的な人気を
もたらしたのは間違いありません。

彼らもアーティストとして、
曲づくりには、自分たちの強い想いを込めているでしょう。

しかし、それだけでは一人よがり。

ファン(=顧客)の声・反応を受け止め、
微調整を躊躇しないことが、メジャーとして成功を
収めるためのマーケティングとしては重要になってきます。

コブクロからは、

「顧客志向の大切さ」

を学ぶことができると思いませんか?

*以上は、NHKトップランナーに出演したコブクロの話を
 ベースにしました。

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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