『目標による広告管理』(DAGMAR)の色あせない主張

2012.11.07

営業・マーケティング

『目標による広告管理』(DAGMAR)の色あせない主張

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

広告の目的として、本来はマーケティング全体、あるいは企業自体の目的であるべき「売上増」などを置いてはいけません。 広告活動のPDCAにこうした目的は役に立たないからです。 広告を含む多様化した現代のマーケティングコミュニケーションにおいても同様のことが言えます。

「広告の目的は売ることである」

として、広告に対して

「売上目標」

を設定するのは意味がありません。
(ダイレクトレスポンス広告を除く)

なぜ意味がないのか?

それは、「売上目標」は、最終的な「成果・結果」の良し悪し(到達度)が判断できるだけにすぎず、

広告の企画・開発・展開・改善

というPDCAのプロセスに対してほとんど具体的な示唆を与えないからです。

そもそも、目的を明確化し、具体的な目標を設定する意義は、それによって、活動をより効果的・効率的に改善していくこと。

ドラッカーが提唱した、

「目標による管理(management by objective)」

の真髄はここにあります。

したがって、DAGMARのアプローチによる広告活動における、望ましい目的は前述した

・認知
・関心
・理解
・好意

といったものであり、例えば、「認知向上」が目的とするなら、具体的な目標設定としては、「認知率」を

10%(現状)→30%(1年後)に引き上げること

といったものとなります。

このように「認知向上」という目的、そして、こうした目的に基づく目標設定であれば、実際の広告活動の内容、すなわち

・メディアミックス
・投下量(リーチ&フリークエンシー)
・広告表現

などにおける

問題点の洗い出し(問題仮説立案)

が可能になり、より効果的・効率的な施策へと内容を改善していくことができます。

一方、ここで「売り上げ増」といった目的を置いてしまうと、実際の広告活動との関連性が遠すぎて、具体的な問題点の洗い出しが難しいことがおわかりだと思います。

さて、今のマーケティングにおいては、

「広告」

という言葉がもはや「時代遅れ」に感じられるほど、多様なメディア(ペイドメディア、オウンメディア、アーンドメディアなど)を通じて、消費者と多様なコミュニケーションを企業は行なっていますね。

こうした多様なコミュニケーション、すなわち「マーケティング・コミュニケーション」もまた、究極の目的は「収益貢献」だとしても、直接の目的として「売上増」などを置くのは、適切ではないことが多い。

例えば、自社フェイスブックページでの情報発信の直接目的はどうでしょうか?

「売上増」

としていない(むしろ、そうすべきでない)企業が多いはずです。

消費者は以前よりもますます、

「企業からのアプローチを受けてすぐに購入する」

ことをしなくなっていますね。

むしろ、様々な情報を積極的に収集し、人の意見・評価に耳を傾け、比較検討して賢明な選択をしようとすることが増えている。

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有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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