『目標による広告管理』(DAGMAR)の色あせない主張

2012.11.07

営業・マーケティング

『目標による広告管理』(DAGMAR)の色あせない主張

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

広告の目的として、本来はマーケティング全体、あるいは企業自体の目的であるべき「売上増」などを置いてはいけません。 広告活動のPDCAにこうした目的は役に立たないからです。 広告を含む多様化した現代のマーケティングコミュニケーションにおいても同様のことが言えます。

先日、私が講師を務める

「マーケティング効果測定」
(シナプス・マーケティング・カレッジ)

で受講生の方から

「DAGMAR(ダグマー)」

についての質問を受けました。

これは、ソロモン・ダトカによって書かれた古典的名著である、

『新版|目標による広告管理-DAGMAR(ダグマー)の新展開』

で提唱されている考え方です。

いい機会だと思って本書を再読してみました。

ちなみに、「DAGMAR(ダグマー)」は以下の頭字語です。

Defining
Advertising
Goals for
Measured
Advertising
Results

現在、同書は実質的には忘れられた存在になっていますが、今でも通用する重要な主張が含まれていることを今回はお伝えします。

同書の中で最も重要な主張は、以下の部分だと私は考えています。

-----------------------

消費者向け商品・サービスの広告、およびマーケティングの最終目標は、購入を引き起こすことである、とされて以来、広告とマーケティング目的との区別が、不明瞭なままにされてきた。

マーケティングのほんの一部分である広告は、「ブランド選好」のような心理学的な効果を生み出すことにかかわっている。

一方、マーケティングは、商品(あるいはサービス)がつくられ、集められれ、消費者あるいはユーザーに届けられるまでのすべての機能-広告も含めて-
をカバーしている。

「あなたの広告目的は何か?」という問いが、広告をつくり、あるいはその広告を承認する数多くの人々に対してなされてきたし、これからもなされるだろう。たいていの会社はこの問いに対して答えを用意している。

しかしながら、それらをよく検討してみると、これらの答えが、広告の特定の目標というよりも、もっと広い、企業目的あるいはマーケティング目的であることが多い。

(同書、P5-6)
------------------------

ここで、ダトカが指摘している点は、マーケティングの一部にすぎない「広告」が目的とすべきは、対象とする製品・サービスの

・認知
・関心
・理解
・好意

といった心理的な変化(態度変容)を起こすことであるべき。

ところが、現実には、マーケティング全体(広告含む)や、あるいは企業・事業事態の究極的な目的であるはずの、

・販売増大
・顧客増加
・市場シェア拡大

などが、広告の「目的」として、

‘間違って’

設定されているということです。

広告もまた、あらゆる他の企業活動と同様、究極的には「収益貢献」が求められることは間違いありません。しかし、だからといって例えば、

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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