専門誌がAKBとエヴァに取り組む意図とは:月刊販促会議の場合

2012.09.25

営業・マーケティング

専門誌がAKBとエヴァに取り組む意図とは:月刊販促会議の場合

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

 今月号はAKB48。来月はエヴァンゲリオン。何の話題かといえば、「月刊販促会議」の特集記事である。同紙はれっきとした販促・イベント・SP(Sales Promotion)の専門誌である。その証拠に、AKB48の前の特集は「ネット×リアルの集客・販促」だったり、「シニア市場のプロモーション」だったり、と専門誌らしいカタイ切り口に徹している。アイドルやアニメを特集に据えた意図は何だろうか。

■チャネルをおさえる

 前述のように、キャッチーな特集は離反客と新規客双方に対して、「まず手に取らせる」ことを狙ったものであるが、そのためにもまず、販売チャネルである書店に注文を出してもらい、店頭に並べてもらうことが欠かせない。ターゲットである最終消費者のことを意識しても、つい忘れがちになるのがチャネル対策だ。その意味では、専門誌でありながら書店主の誰もが知っているキャラクターを特集タイトルと表紙に持ってくるのは大正解であるといえる。その成果として「注文票にいつもは見かけない書店名を見つけたり、注文量がいつもと一桁違ったりという効果もありました」(関係者談)ということだ。

 ターゲットの購買動機と行動を考えて離反客を取り戻す。新規客獲得のための間口を広げる。そして、そのために流通チャネルをおさえる。そうした展開は基本であるが、専門誌という枠にとらわれない柔軟な特集企画が今回の「月刊販促会議」の成功要因であるといえる。市場縮小は多くの業種でも共通の悩みだ。この事例からも学ぶべきだろう。

続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

フォロー フォローして金森 努の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。