経営に貢献する調達・購買機能

2012.09.11

経営・マネジメント

経営に貢献する調達・購買機能

野町 直弘
株式会社クニエ プリンシパル

そこでは調達・購買部門が単なる便利な「コスト削減請負人」のレベルではなく、その企業の強みやビジネスモデルを強化するための機能を果たしている、ということを述べました。

今年の前半にメルマガで私は「経営戦略と調達戦略」という内容でアップル、コマツ、富士通の事例を取り上げました。
そこでは調達・購買部門が単なる便利な「コスト削減請負人」のレベルではなく、その企業の強みやビジネスモデルを強化するための機能を果たしている、ということを述べました。

アジルアソシエイツを立上げて10年になりますが、私の活動は調達・購買部門やバイヤーの社会的、社内的地位の向上を目的にしてきたと言っても間違いはありません。

最初の数年は一部の自動車・自動車部品などの進んだ業種以外の多くの企業において調達・購買部門は単に、手配業務をやっているだけでした。

それを契約業務と購買実行業務に担当を分けましょう、契約業務については集中購買化することでコスト削減を図っていきましょう、購買実行業務はできるだけ無駄を排除し、サプライチェーン全体での在庫の最適化を図りましょう、というのがこの10年の活動でした。
これにより調達・購買機能改革で所謂コストセンターから収益創出部門にしましょう、ということだったのです。
多くの企業ではこのような調達・購買改革は成功しました。しかし、昨年の震災やタイ洪水などのサプライチェーンの分断を経験した企業経営者はこれまでのコスト削減請負人的なものを超える期待を調達・購買部門に持ちはじめています。
それに対してどのような機能を持ち、経営に貢献していくか、今後5年間で調達・購買部門やバイヤーの社会的、社内的地位の向上のためにもこの答えを見出さなければならないと考えています。

拙著「調達・モノを買う仕事」では三菱マテリアル社のセメントリサイクル事業モデルの構築に調達・購買部門が大きな貢献をしたことを書きました。しかし、それに続くような事例は米アップル社やトヨタ自動車などの先進企業の事例を除いてはなかなかでてきていません。
経営に貢献する調達・購買機能とは、果たしてどのような形態になるのでしょうか?

そのヒントになるような面白い記事を先日見かけました。
「『ダウニー』新商品先行販売、ウォルマート調達網活用、西友、2週間早。」
(2012/08/22日 日経MJ(流通新聞)誌)

ダウニーというのは、日本でも人気が高い米P&G社の柔軟剤です。
この新商品を西友は同業他社より約2週間早く売り始めた。という記事です。
これは西友の親会社である米ウォルマート・ストアーズがP&Gと世界各国の販売計画を取りまとめていることにより実現したもので、言わば西友がウォルマートの調達力を活用して、いち早く輸入販売をすることができた、というものです。

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野町 直弘

株式会社クニエ プリンシパル

NTTデータグループのコンサルティング会社である株式会社クニエの調達購買改革コンサルタント。 調達・購買分野に特化したコンサルティングを提供している株式会社アジルアソシエイツの元代表。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルがサービス提供を行います。

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