中学生向けの「働くって何だろう?」授業をあなたに

画像: hiro

2012.08.01

仕事術

中学生向けの「働くって何だろう?」授業をあなたに

村山 昇
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

仕事とは、「能力×思い→表現」である。私が行っている中学生向けキャリア教育の授業には、十分大人になって働いている皆さんにとっても、いまだ有効な気づきを与えてくれると思います。では、10枚のスライド講義をはじめましょう。

◆「お金持ち」と「能力持ち」
 「能力」は、身につけたいという意欲と努力さえあれば、いくらでも自分のなかに貯めこむことができます。ここで大事なことをひとつ言います───

  だれもが「お金持ち」になれるとはかぎらないけれど、
  「能力持ち」には、だれもがかならずなれる!

 ということです。さて、ここで、「ひらがなカードゲーム」というミニゲームをやりましょう。クラスを大きくAチームとBチームに分けます。Aチームには、3枚のひらがなカード─── 「か」・「ず」・「あ」を渡します。Bチームには5枚のひらがなカード─── 「か」・「ず」・「あ」・「き」・「ん」を渡します。
 では、ゲーム指令です。手持ちのカードを自由に組み替えて、2文字以上の意味ある単語(名詞)をつくりなさい。

 ……Aチーム、Bチーム、交互に単語を出してもらう。Aチームはすぐに手詰まる。Bチームはいくつも出てくる。両者の差がはっきりする……

 それはつまり、こういうことです。

 そう、 「能力を豊かに持つ人は、豊かに表現ができる」のです。
 だから「能力持ち」になると、自分がいろいろな表現ができるようになるので、普段の勉強や部活や生活(そして働くようになれば、仕事が)が楽しくなるんです。みなさんは、いま、能力がぐんぐん貯まるときです。

◆世の中は「人が行う仕事」で回っている
 さて、ここから「働くこと・仕事・職業」というメインテーマに入っていきましょう。

 見渡してみれば、私たちの身の周りには、いろいろな人のいろいろな仕事があります。たとえば、みなさんがいま履いている靴。その靴は、だれかがデザインし、だれかが工場で製造し、だれかが店で売ってくれた靴です。それはつまり、靴のデザイナーという仕事、靴の製造組立員という仕事、靴の販売員という仕事があるということです。

 また、みなさんがレストランに行ってハンバーグステーキを注文したとしましょう。そこで出てくるハンバーグステーキは、それこそ数えきれない人の仕事を経て、あなたの前のお皿の上にやってきました。
 つまり、世の中の誰かが、その牛を育てるという仕事をしました。そして、その牛肉を海外の生産地から日本へ運ぶことを仕事にする誰かがいました。成田空港の税関では、誰かがそれを検査する仕事を請け負っています。さらには、その検査が済んだ牛肉をレストランに売る仕事の人がいました。そしてレストランの厨房では誰かがステーキを調理する仕事をしています。ステーキはいよいよ、ウェイター・ウェイトレスという仕事をする人によってあなたのもとに運ばれました。
 これで終わりではありません。食後、レストランで会計をしますが、そのレストランでは経理を仕事にする人がいて、きちんと店が回っていくようにお金をやりくりしています。そして、経理の人は、翌日、その売上金を銀行に持っていきます。銀行には、また多くのお金を数えることを仕事にする人が働いています。

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【中学生向け「働くって何だろう?」の授業をあなたに】

村山 昇

キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。

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