消費者庁サクラの口コミNGでも旧来の枠組で根本ルールは変わらず

2012.06.04

営業・マーケティング

消費者庁サクラの口コミNGでも旧来の枠組で根本ルールは変わらず

安田 英久
株式会社インプレスビジネスメディア Web担当者Forum編集長

今日は、ソーシャルメディアや口コミサイトなどを含めて問題になる「マーケティングの倫理」とその規制に関して。

消費者庁が「口コミでサクラはNGよ」と正式に発表したのですが、残念ながら表層的な事例を追加したに過ぎず、根本的な「マーケティングの倫理をイマドキに合わせて定める」ところまでは行っていないようです。

消費者庁は、5月9日に「インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項」を一部改定しました。

・「インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項」の一部改定について
http://www.caa.go.jp/representation/pdf/120509premiums_1.pdf (PDF)
※後半に改定後の資料が別添

今回の改定では口コミサイトでのサクラ口コミの投稿は問題となる事例が追加されています。具体的には、次のようなものが「問題となる事例」に追加されました。

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“商品・サービスを提供する店舗を経営する事業者が、口コミ投稿の代行を行う事業者に依頼し、自己の供給する商品・サービスに関するサイトの口コミ情報コーナーに口コミを多数書き込ませ、口コミサイト上の評価自体を変動させて、もともと口コミサイト上で当該商品・サービスに対する好意的な評価はさほど多くなかったにもかかわらず、提供する商品・サービスの品質その他の内容について、あたかも一般消費者の多数から好意的評価を受けているかのように表示させること。
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これを受けてニュースサイトなどでは「消費者庁がサクラにNGを出した」というように報じられていますが、残念ながら実際には「ちょろっと事例を足した」レベルであり、根本的には以前と変わっていません。

現時点で消費者庁が示しているのは、あくまでも「景品表示法上の有利誤認・優良誤認などの不当表示」に関するものであり、それがヤラセか自然発生かは問うていないのです。

上記の事例も、問題なのは「"あたかも一般消費者の多数から好意的評価を受けているかのように表示させること"」であり、優良誤認にならない(「"実際のもの又は競争事業者に係るものよりも著しく優良又は有利であると一般消費者に誤認される"」ことがない)程度であれば、たとえ業者に口コミを作らせたとしても問題とはならないということになります。

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