北の大地に種を蒔く。北海道で働く。

2012.06.01

開発秘話

北の大地に種を蒔く。北海道で働く。

喜田 真弓

全国11箇所に営業拠点を展開する「地域密着型」のアシストが、北海道に営業所を開設して21年。原田直人は1993年の夏、東京本社から出身地である札幌に転勤した。

原田は高校、大学と、全寮制のミッションスクールの出身であり、社会人になった今も、当時培ったキリスト教精神は、自身に強い影響を与えていると言う。
「全寮制で過ごした7年間に得たキリスト教精神は、精神の根底に刻み込まれているような気がします。キリスト教の教えに、“涙とともに種を蒔く者は、喜び叫びながら刈り取ろう”というのがあります。 日々の仕事はまさにそこにあると思います。まずは良い土壌を作り、こまめに水やりをして収穫を得ること。それでも時々凶作に見舞われますが(笑)」

もう一つ原田が意識しているのが、細かいところに気を配る精神であり、これは学生時代にディズニーランドでキャストとして1年数ヶ月働いた時の経験から得たと言う。

「ディズニーランドにあるメリーゴーラウンドは、金のペンキではなく23金の金箔が使われていることはビジネス書などで紹介されています。私はウエスタンランドの川の所属で、トムソーヤのいかだとカヌーを漕いでました。西部開拓時代のアメリカを再現したウエスタンランドでしたが、このアメリカ河の水はミシシッピ河のイメージに色付けをしてあり、また西部の街並みの建物は、汚れや錆など一つひとつ職人が手で描いて、テーマの雰囲気を最大限に演出していました。これらは、たとえお客様が気づかないとしても、サービスを提供する側はその努力とこだわりを惜しまない、ということの表れなのです」

お客様のために働いている、お客様がいなければキャストの仕事も意味もなくなる。だからこそキャストが細部にこだわり、そういう意識を常に持っていれば、ゲスト(お客様)の大切さを忘れずにいられ、また素晴らしいサービスを継続的に提供していけるのだ。

IT技術の進歩によって北海道と東京の距離は大きく縮まり、また、企業の情報システムもオープン化が進み、あらゆる企業が共通のプラットフォームを利用できる環境が整う日もそう遠くはないだろう。そうなれば、企業においては、原田のような「人」を介していかに満足できる支援やサービスでの差別化を図るかがますます重要になってくる。

「仕事の醍醐味は、お客様からうかがったニーズが自社の提案要素と合致して役に立つことが出来ると感じた瞬間、お客様の課題・問題が解決した瞬間、自社が販売した製品が用いられてお客様のシステムがカットオーバーした瞬間です」。この醍醐味をできるだけ多く味わうためにも、北海道の土に根付かせる良い種をまき続けるしかないと原田は思っている。

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