マネジメントが変わらないと?

2007.11.10

経営・マネジメント

マネジメントが変わらないと?

野町 直弘
調達購買コンサルタント

マネジメントが変わらないと購買は変わらないのか? そうではありません。 企業の生産や購買業務はボトムアップの積上げの結集なのです。企業買収やヒット商品を生み出すこととは異なります。

前回、カルロス・ゴーン氏の購買改革のトピックを取り上げましたが、
多くの企業では依然購買・調達部門は、やはり従来通りあまり地位が
重要視されていない、というのが実情かもしれません。

よく現場の調達部門の方やネットワーク会で話をしていても、
そういうトピックをよく耳にします。

私は一番の問題は、正に内部の不透明性の問題だと思っています。
「開かれた調達部」「公平かつ透明性のあるソーシング活動」と言われても、
まだまだその実態を外から見た場合に「何をやっているのか、わからない部署」
であり、そもそもノウハウや情報が一人のキーマンにだけ集まるような状況では、
外から認めさせることは無理だと思っています。
逆に中が変わったとしても、マネジメントはその重要性を認識してくれるとは限りません。

それでは「マネジメントが変わらないから購買が変わらない」のでしょうか?

よく現場で「マネジメントの意識を変えるにはどうしたらよいのでしょうか?」
という質問をされます。
非常に難しい問題ですが「マネジメントを変えなくても、購買は変えられる」
というのが私の持論です。むしろ「購買(自分)が変われば、徐々にではあるが
マネジメントや会社全体が変わっていく」と思っています。

一例ですが、最近の開発購買の成功企業例では、全社の仕組み作りではなく、
意識改革を進めることがその成功要因であると実感しています。

具体的に何をやっているかというと、購買メンバーの机を一つ、
開発のフロアに置かせてもらっているだけなのです。
そして、その人間が設計・開発の人間から「こいつは役に立つ人間だ。」
と思わせればいいのです。

また私自身、開発や生産現場の人間と触れ合い、コミュニケーションを取り、
彼らの役に立つ情報を積極的に流し、「私はサプライヤの工場長である」
(今考えてみれば随分レベルは低いものですが)という自負で色々な行動をとり、
彼らから認められる経験を実務の中でしてきました。

一例を挙げますと、新入社員で購買に配属されたものの、何もわからない。
しかし、設計の人間には負けたくなく、彼らの仕事や知識を吸収したくて
色々な会議に呼ばれもしないのに同席したことを記憶しています。
彼らに「木型DR(デザインレビュー)」に出席した初めてのバイヤーだと言われた位です。
最初は殆ど教えられることばかりでしたが、その後、設計・開発部門は
だんだん私を信用してくれるようになったことを思い出します。

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野町 直弘

調達購買コンサルタント

調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。

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