アジアを一つとしてみる タイの大学訪問記 その1

2012.02.24

経営・マネジメント

アジアを一つとしてみる タイの大学訪問記 その1

林 衛
株式会社アイ・ティ・イノベーション 代表取締役

社会人IT技術者教育で協業しているアイ・ティ・イノベーションと大連東軟信息学院はタイの大学を訪問した。アジアでの社会人から大学生までの教育という幅広い連携を模索した。もはやアジアは日本の下流ではない。

 一般的にタイの人々は、やさしく、静かで、ゆったりとした性格で、外部の人々に、微笑みをもって接するといわれている。まさに、どの大学を訪問しても、聞いていた通り、フレンドリーである。タイ人の歴史も日本同様、農耕を中心とした小さなクニが、集まって、もう少し大きなクニ(タイではムアンと呼ぶ:政治権力単位)を創り、それが集まって王国を形成し、それらが勃興、衰退を繰り返し、今の姿に至っている。ムアンは、日本でも戦国時代に似たものが存在している。農耕という点でも日本文化と共通する点は、多く存在する。どうも、タイ人のやさしく、ゆったりとした態度は、農耕ならではの何かを継承しているようだ。タイ人は、また、手先が器用だ。有名なシルクや焼き物など見事な工芸品が多くあるのも日本に似ている。

 私は、タイ人と話をして、日本人と似ている点を多く発見した。一方、現在のタイという国土には、タイ人のみならず中国人や他の民族も数多く暮らしている。タイ人が、中国を起源として南下したために、現在のタイの周辺諸国にもタイ人が、またがって暮らしている。中国、タイ、ミャンマー、ラオス、カンボジア、ベトナムには、いくつかの違う人種が、居るが、それぞれ、国境をまたがって存在している。いずれにせよ、タイ一国をどんな国であるかを語ることより、東南アジア一帯で、考えないと国、文化、人種など間違った見方になると思う。現在、タイは、人口6千3百万人、国民一人あたりのGDPは、4千数百ドルに達しており、経済的に周辺国に対して求心力を持っているといえる。

 また、現在のタイの国土は、中国を源流としたメコン川などの国境をまたがった大きな河川の流域に沿って、南北に延びる回廊と東西回廊が交わる要所にあり、周辺国との交流が容易である。さらには、海側からも遠くは、インドからの交易もあった。今でも、その地政学的な位置づけでは、タイが東南アジアの中心である。

 さて、実際の訪問の結果、どのようなことが分かったか、簡単に述べよう。

 今回の訪問大学は、バンコクで2校、ナコンパトム(仏教が伝わったとされるバンコク郊外の都市)で1校、日本でも観光で有名なタイ北部のチェンマイで1校である。

次号に続く
~アジアを一つとしてみる タイの大学訪問記 その2 ~
http://www.insightnow.jp/article/7013

http://www.promane.jp/master/hayashi/2012/02/000996.html

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林 衛

株式会社アイ・ティ・イノベーション 代表取締役

PMの達人として著名。近年はビジネスアナリシスあるいは「人間力」をキーワードにIT業界の変革に取組んでいる。

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