若者を狙う「青山商事」の課題は何だ?

2011.11.25

営業・マーケティング

若者を狙う「青山商事」の課題は何だ?

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

 あなたがもし、担当商品の「売り上げを倍増させよ」と命じられたら、どうするだろうか?商品に新たな特徴を加える。価格を改定する。販路を拡大する。広告を増やす・・・。それらは全て4P(Product・Price・Place・Promotion)の一要素だ。それらを1つ、2つ思いつきでいじっても効果は出ない。

 そうなると少々悩ましいのが、別業態として展開している、2プライス(19,800円、29,800円)店の「ザ・スーツ・カンパニー」だ。2プライス店は手ごろな価格でちょっと凝ったデザイン、豊富なサイズ展開が消費者の支持を得て競合各社も続々と参入してくるほど活況を呈し、都市部の路面店、ショッピングセンターなどのそこかしこで見かけるようになった。特に青山の「ザ・スーツ・カンパニー」の縫製は中国だが、ディテールのこだわりなどなかなかのものなのだ。ここのスーツは「ビジネスの道具」ではなく、「ちょっとしたオシャレの演出」がポジションとなるだろう。このブランドと統合するのか、あくまで別路線で行くのか。

 スーツをスーツ然として着るシーンが、ビジネスウェアのカジュアル化にともなって減ってきている。「いいモノを安く」的なポジションでは生き残っていけないのは必定。だとすれば、両者の関係にも一度メスを入れねばならないはずだ。そのためにも、「顧客のニーズをよく見る」という原理原則から再度検討すべきなのだろう。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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