購買部・調達部がない企業での支出管理

2011.10.03

経営・マネジメント

購買部・調達部がない企業での支出管理

野町 直弘
株式会社クニエ プリンシパル

先日「購買改革による第二成長期における収益力強化セミナー」というセミナーを実施しました。 お陰様で、会場は大盛況であり50名ほどのお申込みがあり、ご都合が悪くなられた方を除く35名の方々にご参加いただきました。

株式会社ぐるなびの小川様のご講演は非常に分かりやすく、かつ現場感覚にあふれるものでした。

私は「成長企業における支出管理の重要性」というタイトルで話をさせていただきました。
そこでも触れたことですが、まず、多くの企業で支出管理、購買改革を始める上で制約になるのは人員不足です。
その殆どの企業で共通して言えることは「購買部がない」ということです。

「購買部がない」企業の支出管理をどう進めていくかということですが、以下の3点のことを気をつけるのがよいでしょう。

一点目は「体制」作りです。
体制作りの上で重要なのは、各事業部門や各機能部門の中に購買担当(ソーシング委員、ソーシングコミッティでも呼び方は何でも可)なるものを設置し、部門内の契約業務担当者を設けることです。
総務部購買G(グループ)とか、経営企画部購買G(グループ)なる役割である方(多分貴方でしょう)が中心となり、全社のそれぞれの部門に購買機能をつくるのです。
購買G(グループ)は各部門の購買担当に対してガイドラインやルールを設定して展開したり、大きな全社横断的な費用のコスト削減活動を担当します。
つまりコミッティによる活動を進めるのです。
これであれば、部門の購買担当を専任化する必要もないので、あまり大掛かりな組織でなくてもスタートできます。

二点目は「ガイドラインやルールの作成/展開」です。
ここではベストバイルールを作りましょう。ベストバイルールとは、部門の購買担当に対して守らせるルールであり、例えば、相見積りの取得や交渉回数、価格妥当性の検証を行わせたり、ルール外購買に対しては厳しいルールを適用するなどの内容になります。
このように各部門の購買担当の契約業務に対して全社の購買Gが一定のルールを守っているかどうかの承認を行う、というのがガイドラインの基本的な内容になります。

最後は「戦略ソーシングから進めなさい」という点です。
これは言いかえるとまずはコスト削減の成果を出しなさいということです。
コスト削減の成果を出すことでその後の社内展開をスムーズに進めることができるからです。今までは相見積りを取りなさいとか、無駄な買い物をするなとか管理されていなかった訳ですから、当然社内のユーザー部門にしてみると余計な取組みなわけです。
お付き合いの深い取引先に何も考えずに発注してきたわけですから、余計なことをやって品質が悪くなったらどうするのか?
納期に間に合わなかったらどうするのか?ということになるのです。
それに対して(これは購買Gが中心になって進めないといけないわけですが)全社のボリュームを集約して現状の契約を見直し、コスト削減を図ることができればユーザーに対して大きなアピールになります。
しかし、ここで課題となるのは、コスト削減を推進する人員やスキルの不足、という問題です。
人員やスキルの不足に対してはクロスファンクションの品目チームによる推進と外部コンサルタントの活用が有効です。
前者の品目チームとは社内の専門部署(例えばIT関連であればIT部門)の購買担当だけでなく、社内のユーザーなどのキーマンをチームに入れて専門家やユーザーの声を聞きながらコスト削減活動を進めていく、ということです。後者の外部コンサルタントの活用については弊社のような専門家を活用していくことです。ぐるなびさんでも弊社がコスト削減を支援させていただきながら大きな効果を上げました。
このようなやり方でとにかく短期間で大きな成果を上げることが「購買部がない」企業の支出管理を上手く進める上で望まるのです。

以上三点のコツを上げましたが、これは何も成長企業だけの話ではありません。
外資系企業の日本法人での購買機能の立上げ、非製造業の購買機能の強化、製造業の全社集中購買機能の強化、これらのあらゆる場面で役に立つコツだと考えます。

これらのコツを上手く利用しながら支出管理活動をスムーズに立上げて欲しいものです。

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野町 直弘

株式会社クニエ プリンシパル

NTTデータグループのコンサルティング会社である株式会社クニエの調達購買改革コンサルタント。 調達・購買分野に特化したコンサルティングを提供している株式会社アジルアソシエイツの元代表。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルがサービス提供を行います。

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