ヨーカ堂のPB衣料、その可能性と課題

2011.09.12

営業・マーケティング

ヨーカ堂のPB衣料、その可能性と課題

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

 イトーヨーカ堂が20~40代向けのカジュアル衣料などのPB(プライベートブランド)「グッデイ」の衣料品を発売し、SPA(製造小売り)に始めて乗り出したという。一方、従来からの国産PB「Made in Japan」も息の長い取り組みをしている。

 <GMSの衣料品改革はできるのかイトーヨーカ堂がSPAに参入する訳>(9月9日・週刊ダイヤモンド)
 http://diamond.jp/articles/-/13945

 従来のスーパー・GMSのアパレルは商品の委託販売を基本として、<(メーカー・卸からの)仕入購買→出荷物流→販売>というバリューチェーンを組んでいた。それに対し、SPAは製造小売りの名の通り<調達購買物流→商品開発→製造→出荷物流→販売>と川上統合をしたものだ。効果として同記事では<原価は15~16%下がる>としている。しかし、一方で<GMSでは肌着のような必需品は売れるが、本当に欲しい“必欲品”を生み出すセンスはない>ともあり、その改革は未知数であるとしている。

 日本におけるアパレルSPAの王座にあるのはユニクロを抱えるファーストリテイリングであるといって間違いない。9月9日、かつて鳴り物入りで登場したデザイナーのジル・サンダーとのコラボ商品「+J」が今シーズン限りという最後の売り出しを開始した。
ナゼ、人気の「+J」が販売終了になるのだろうか。メディアは「ブランド価値向上に対する一定の貢献があり、役割を終えたため」という趣旨のユニクロからのコメントを伝えていた。客足は上々で、8日の銀座店での先行販売では2時間待ちの列もできたという。筆者が店舗を訪れた9日もまるでバーゲン会場であるかのようにごった返し、次々と商品が売れていった。だが、気になることがあった。「+J」の購入客は、他のユニクロ商品を併買する割合が非常に低いのだ。一方のユニクロは、ジーンズのラインナップを広げすぎて失敗をした教訓などを元に、現在はファッション性より「ベーシック回帰」の方向性を明確にしている。「ヒートテック」の販売を1億枚という途方もない目標に置いたのも象徴的だ。かつてのファッションブランドの巨匠とベーシック回帰するSPAでは、シナジーは出にくかったということなのだろう。

 同じく9月9日の日経MJに「ヨーカ堂、国産PBの売り方」という記事が掲載された。「色・サイズを豊富に品揃え/商品情報を売り場にこまめに提供/オーダーメイドでオリジナル感」とサブタイトルがある。
 PBは「Made in Japan」。もう何年もヨーカ堂が育てている日本国内で製造した商品を取りそろえたブランドだ。記事にある商品の例としては、例えばジーンズの名産地・岡山で作られたデニム地の帽子。<高い縫製技術を活かして、かぶった際のフィット感を大切にするために(中略)サイズは1cm刻みで取りそろえた>という。オーダーメイドの革製かばんの例もある。<形は10種類、素材は3種類、色は7色を用意するなど、組み合わせは7種類を用意するなど、組み合わせは1000種類を超える。(中略)商品は2週間で完成する>という。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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