キリンFIREにマーケティングの「整合性」を見る

2011.09.08

営業・マーケティング

キリンFIREにマーケティングの「整合性」を見る

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

 缶コーヒーを飲む。どんなシーンを想像するだろうか。どんな人が、どんなふうに飲んでいると。そのイメージを変えるため、キリンビバレッジが斬新な試みをはじめた。

 容器と味はマーケティングにおいては4PのProductの要素だ。そして、CMはPromotionの要素である。マーケティングのキモの1つは「整合性」である。何か1つの要素が突出して良くてもうまくいかない。各要素が「整合」していることが欠かせないのだ。さらに重要なのは、4Pの各要素はターゲットに魅力的であるかという要素と「整合」していることが欠かせないのである。
 今年の春に<ペットボトルと缶の両方で異なる味わいを取り入れた>という味と容器をターゲットに合わせた改良を行った。さらに27日からは<テレビCMなど広告の内容も(ターゲットに合わせて)変える>という。さらに4Pの残る要素、Place(販路)は、ペット容器はコンビニエンスストアで扱う。コンビニエンスストア利用者は中高年は男性層に偏りがあるが、若年層では男女ともに利用する。価格は130円と競合商品と並ぶ相場価格。こうしてみてみると女性及び若年層という新たに開拓すべきターゲットに向けて、4Pの整合を図っていることがわかる。

 日常の業務では、「製品を改良しよう」「価格戦略を見直そう」「チャネルのテコ入れをしよう」「新しいCMを考えよう」などと、個別要素が課題として上がることが多い。しかし、各々の要素は全てつながっている。「整合性」が欠かせないのだ。さらに、「誰」をターゲットとし、そのターゲットに魅力が伝わるかという視点も欠かせないのだ。近視眼にならないことが肝要なのである。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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