「これからはFacebook」や「シナジー」は戦略ではない。

2011.09.06

経営・マネジメント

「これからはFacebook」や「シナジー」は戦略ではない。

安田 英久
株式会社インプレスビジネスメディア Web担当者Forum編集長

「戦略の2つの本質は“違いを作って”、“つなげる”こと」 「部分を見ると非合理だが全体としては合理的なものが優れたストーリー」 「リーダーの条件は“話がおもしろいこと”」……。

では「各部分:合理、ストーリー全体:非合理」はどうかというと、意外に陥りがちな、「合理的な愚か者」なのだということ。

そうではなく楠木氏は、部分部分を見ると「おかしい(非合理だ)」けれども、ストーリー全体としては合理的に儲かる理屈ができているのが、優れた戦略であるとして、そうした戦略を作れるのが「真の賢者」だといいます。

部分が非合理で全体が合理というのは、他社が「まねられない」ではなく「まねる気にならない」戦略。

たとえばAmazonはECなのに大量の倉庫を作っていて在庫を大量に持っています。

これは、投資家から見ると効率が悪くおかしいところ(部分を見ると非合理)。

しかし、Amazonのストーリーは「顧客の購買意志決定を支援する」ことであり、顧客が購入したいと思ったときに、「いつ届くか」の情報は、価格と同じぐらい購入の意思決定にとって大切。だから、顧客の購買意志決定を支援するには商品配送のタイミングまで示さなければいけない。だから在庫を持っているのだというのです(全体としては合理)。

・最後に「一貫性」――ストーリーの評価基準

一貫性の例として楠木氏は、マブチモーターの事例を示します。同社の戦略は、「持続的に利益を出す」というゴールに対して、「モーターを標準化して“マブチモーター”として売るようにする」というもの。

製品ごとにカスタムのモーターを作っていた時代からの戦略で、利益を出すためにコスト面で優位に立つ方向を選び、コスト優位をもつためには大量生産をしなければいけない、だから個別にカスタムで作るのではなく標準化するという流れなのだといいます。

モーターを標準化すれば「まず間違いなく」大量生産でき、「まず間違いなく」コストを下げられます。このように、因果論理が明確であるのが重要なのです。

因果論理が不明確なものや突然出てくる飛び道具は、戦略として弱いもの。たとえば「シナジー」「相乗効果」のようなものや、突然「これからはFacebookだ」と言い出すなどがその例で、人はストーリーを詰め切れていないとこういった飛び道具に頼ろうとするものなのだといいます。

楠木氏は「データは過去、戦略は未来」であり、「“こうしよう”というイメージは数字ではわからない」として、「数字よりも筋」という言葉を使いました。

戦略において重要なのは、「こうなるだろう」ではなく「こうしよう」であり、「見える化」よりも「話せる化」なのだといいます。戦略を作っている本人がイメージできないことは実行できないからです。

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