コンサルティングという仕事

2011.06.06

経営・マネジメント

コンサルティングという仕事

野町 直弘
調達購買コンサルタント

最近あるお客様より「限られたプロジェクトの期間ですが社員の一人になった気持ちでプロジェクトを進めてください」という言葉をいただきました。

当り前のことなのですが本当に嬉しく感じました。
というのは、コンサルティングという仕事をやっていると、必ずしもそうではないからです。だいたいのプロジェクトでは最初は「お手並み拝見」「やれるものならやってみろ」からスタートします。
そこから時間が経つにつれてお互いの信頼感が生まれてきて、徐々にお互いの役割を認識しながら最適な進め方を見出していくものです。
場合によってはそれが見いだせないままプロジェクトが終わってしまうことも少なくありません。

リーマンショック、震災の影響もあり、我々のビジネスも近年は必ずしも順風満帆とは言えません。顧客も何か新しい手法を導入することよりも、どうしてもやらなければならないことを失敗しないように実行するということをまずは考えています。予算も限定的になっています。
過去の実績や、ネームバリューでコンサルティング会社を評価することもある意味やむを得ないでしょう。
そうすると自然とコンサルティング会社は売りやすいものを売ろうとします。
過去何社も実績がある枯れたソリューションやパッケージ化された手離れがよいソリューションです。

例えば大手企業で色々試しながら体系化してきたコンサルティング手法を中堅企業に導入する。これはこれで意味があります。
しかし、これだけで良いのだろうか?とも思います。

最近、企業の購買部の方々からお声をかけていただいたにも関わらず、色々ご提案をさせていただいても、商談が決まらないことが増えています。
その理由として多く上げられるのは「社内で進めることになりました。」というものです。私は企業が社内で進められるの改革であれば、それはそれでよいことだと考えます。
よくコンサルは「時間を買う」ものであると言います。
きっちりきっちりある期間内にアウトプットを出していく、というやり方は社内だけで進めるよりもメリットがあると言えます。ただ、それだけでお金を払う価値があるか、と問われると何とも言えません。

自分たちでやれるのであれば自分たちでやる、至極当たり前のことです。

原点に戻り考えてみると、私がやりたかったことは「調達・購買の世界を変える」ことであったわけで、そのために、従来のやり方を体系化し、何十冊のレポートを発行したり、出版をしたり、購買ネットワーク会を立ち上げたり、色々な活動をやってきました。
当然のことながら、会社を立ち上げたころは、初めて挑戦するテーマばかりだったのです。つまり、やったことがないことに挑戦してきたのです。
私はこの思いをこれからも忘れてはいけないと思います。

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野町 直弘

調達購買コンサルタント

調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。

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