チャレンジが報われる社会

2007.10.22

組織・人材

チャレンジが報われる社会

猪熊 篤史

チャレンジは報われにくいものである。簡単には報われないからこそ挑戦に価値がある。挑戦者が報われる社会であることを願いたい。

 やりたいものはやったら良いだろう。しかし、それが現実からの逃避や安易なモラトリアムの確保ではいけない。特定の職場では人間関係を上手くいかなかったとしても、顧客、取引先、社員などとの関係を上手く築くことが出来なければビジネスや経営は出来ない。弁護士や会計士など特定の資格を取得することによって拓かれるキャリアがある。勉強によって補える知識や能力も重要である。しかし、人間関係に気を使う必要のない勉強はある面で楽な道である。楽をしていては成功はつかめない。また、適性の見極めも欠かせない。中途半端では時間や金の無駄遣いになる。難しいこと、厳しいことに挑戦することに価値がある。また、達成すること、結果を出すことで価値は1つの形になる。

 挑戦の後に得られる結果によって、新たな挑戦の可能性を見出すことができる。絶え間ない挑戦が大切である。

 家族や家庭に対する配慮や職場の人間関係など、人は多くの制約を受けるものである。それはリスクをとる人もとらない人も基本的には同じである。リスクをとらない人や挑戦をしない人が報われる社会ではいけない。挑戦する人を生意気だといってたたきつぶすような社会ではいけない。リスクをとらない人がリスクをとる人を馬鹿にする社会ではいけない。もっともそのような圧力が挑戦者を強くするのだから、社会の仕組みは複雑である。

 社会的な評価は、1)リスクをとって成功した人、2)リスクをとらない人、3)リスクをとっている人の順番になるようである。リスクをとっている人々はリスクによって期待が大きく割り引かれてしまう。従って、リスクをとっている人よりもリスクをとっていない安定的な生活をする人の方が優位になる。リスクをとっている人の将来の利益が十分大きなものであって、リスクによって割り引かれてもリスクをとらない人の期待利益よりも大きくなるようでなければ、好ましい社会的な循環は生まれない。心の問題なので利益を一概に金銭的な価値として評価することはできないが、挑戦する人が求める利益を享受しやすい環境が必要である。挑戦の機会が不当に妨げられないことが大切である。

 リスクをとる人が成功を収めやすいこと、また、そのような成功への道が理不尽に妨げられないことが大切である。

 挑戦が報われる社会でなければならない。挑戦することが奨励され、尊重される社会でなければならない。また、挑戦者の立場では、目標や目的を明確にして、対象を絞って、効率的・効果的に限られた貴重な経営資源と無限の情熱を投入しなければならない。終わりのない旅のようだが、挑戦は必ず報われると信じて、挑戦を続けたいとことである。

※本文は、メールマガジン『プロフェッショナルのための「V.スピリト」』の2007年10月22日配信号(増刊PR号)の内容を掲載したものです。

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