経済学的な恋愛アプローチ

使わなくなったゴルフクラブや着なくなった服、それに大量の本にCDなど、今では利用しなくなったモノが私の部屋を占拠している。
もう使う予定はないのに、捨てることも売ることも出来ずに、そのまま取っておいてしまう。誰にでもこんな経験はあると思います。
使わなくなったゴルフクラブや本を売れば、お金を手に入れられるし、ゴルフクラブや本を置いていたスペースを有効活用できることを分かっているのに、そのままにしておく。
このように、私たちの日常は、合理的な経済人ではありえない保有行動で満ち溢れている。私たちが不合理な保有行動を続ける理由は、行動経済学的効果として保有効果が考えられる。

保有効果とは、自分の所有するものに高い価値を感じ、手放したくないと思う現象のこと。車を買い換えるときには、多くの人が、新車の値引き額よりも自分が乗っていた車の下取り価格に強い関心があると言われている。
この保有効果を利用しているのが、「使ってダメだったら2週間以内に返品してください。代金は無料です」という通販の試供品。これは、まだ買ってもいないのに「保有効果」が働いて、めったに返品されないことを通販業者は知っているのです。

この奇癖は現状維持バイアスという概念で説明できる。現状維持バイアスとは、現状を変えることの不利益の方が利益よりも大きいと感じ、現状を維持しようとする思考パターンのこと。

実は、この保有効果や現状維持バイアスは、恋愛でも顕著に現れる。
「恋人が浮気してそうだけど、別れたくないから追及しない。」なんてことはよくありますよね。恋人の浮気が明らかになって、別れることになったら精神的なショックが大きい。だから、辛いけれど気付かないフリをしよう。と考えるのは、保有効果と現状維持バイアスかもしれません。
一般的に、恋愛に関しては男性の方が女性よりも未練がましいと言われますが、保有効果が強いんでしょうね。

本題である「経済学的な恋愛アプローチ」について、私見を。
恋人がいない人に告白するときには、、「 試しに3ヶ月だけ付き合って。3ヶ月たってダメだったら別れるから」と告白してみては。「うーん。3ヶ月だけだったら」とOKしてもらえれば、3ヶ月後には、保有効果が働いてお付き合いを継続できるかも。
次に、恋人がいる人に告白するときには、「今の恋人みたいに、◯◯はないけど、△△ならあるよ」という告白はお勧めできない。告白相手にとって、◯◯と△△が同じ価値なら、現状維持バイアスで今の恋人を選ぶ。
行動経済学的には、「今の恋人より△△はあるよ。◯◯は同じだけど」と告白するのが正解。とは言うものの、恋愛が成功するかは貴方次第！