迫り来る8×4の脅威!シーブリーズ逃げて~!

2011.05.26

営業・マーケティング

迫り来る8×4の脅威!シーブリーズ逃げて~!

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

 「マネっこ」をすると先生に叱られたり、友達に嫌われたりする。それは子どもの世界の共通認識でありルールだ。しかし、生き残り競争に支配されたビジネスのルール、オトナの世界では必ずしもそれは通用するものではない。

 資生堂は大手化粧品会社であるが、従来の流通チャネルは百貨店であり、販売手法は美容部員による対面販売だ。しかし、ドラッグストアの台頭により化粧品もセルフ販売と低価格化が進み、資生堂もついに千円以下の「3ケタ化粧品」に参入した。昨年9月中旬に「専科 保湿クリームからつくった化粧水」を発売したのだ。
 領空侵犯されたリーダー企業は報復攻撃に出た。その1つがシーブリーズ対抗の8×4デーウォーターである。左の写真は別のドラッグストアの店頭だ。花王が体力勝負の価格構成に出たことがわかる。一方、資生堂はシーブリーズブランドの新製品である日焼け止めのサンプルをセットにして差別化を図っている。
 リーダーに攻め込まれたチャレンジャーとしては、何といっても「差別化」がキモである。リーダーが同質化を仕掛けようとしても簡単には真似できない戦略を展開するしかない。しかし、サンプルのパッケージ同梱というレベルでは防衛できるか不安である。両製品を組み合わせて使ってこそ得られる便益などの訴求ができるかが差別化の要諦となってくるだろう。

 気温と湿度が上がり、暑さが本格化してきた季節。店頭の戦いも価格競争で一層の熾烈さを増しはじめた。特に今年は震災の影響の影響による暑さ対策で、デオドラント市場も大きな伸びが見込める環境にある。8×4とシーブリーズの攻守から目が離せない。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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