ジーンズの「ボブソン」はいかに再生すべきか?

2011.05.19

経営・マネジメント

ジーンズの「ボブソン」はいかに再生すべきか?

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

 ジーンズメーカーのボブソンが5月2日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、6日に手続きが始まった。百貨店などの既存の取引先は打ち切られておらず、営業は継続できるとのことであるが、この後は債権者が納得できる再建に向けた戦略を描くかだ。

 ではどうするか。安売りはできないし、したくない。顕在ニーズに応える程度の機能性強化では、関与度の低くなった消費者のKBF(Key Buying Factor=購入決定要因)には不十分。ステロタイプな情緒的価値はもはや求められない。「総合パンツメーカー」になるには体力とノウハウ不足。・・・という悩ましい前提満載だが、1つの決定している要素として、直営店を6店から12店に増やし、売上の4割を稼ぎ出そうとしているということがある。残り6割を何店舗の百貨店、GMS、アパレル店などの委託販売先に頼っているかわからないが、12店で4割だとすれば、1店舗当たり売上はかなり大きそうだ。また、直営店だから当然だが返品なしなので利益率も高そうだ。

 その、直営店というコントロールのしやすい販売チャネルで、高付加価値・高収益な展開を目指すなら、「パターンオーダージーンズ」というのはありえないか。
ジーンズに対する消費者のニーズギャップは「動きにくい」というもの。また、「イマイチお洒落じゃない」ということもあるだろう。ストレッチジーンズ生地の使用、立体縫製に加え、パターンオーダーできれば、動きやすく、自分の思い描くイメージにピッタリなジーンズができあがる。オンタイム用ならパターンオーダーのスーツを比較的こなれた価格で扱う店は多くなっており、ドレスシャツなら「鎌倉シャツ」が人気だ。ジーンズも打ち出し方では十分ニーズを拾えるのではないだろうか。

 企業再生において、バランスシート(BS)をキレイにすることは、冷徹かつ粛々と行いさえすれば、さほど困難ではない。問題は「売れ続けるしくみ」をいかに再構築するかにかかっている。今後のボブソンが描く再建戦略に注目したい。

 

続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

フォロー フォローして金森 努の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。