『未曾有』からは何も学べない

2011.04.04

経営・マネジメント

『未曾有』からは何も学べない

野町 直弘
株式会社クニエ プリンシパル

「無力感」「脱力感」 今回の震災を一言で表すとこれらの言葉がよくあてはまります。 しかし、我々はできるだけ早く復興と再建に向けて歩みださなければなりません。

「無力感」「脱力感」
今回の震災を一言で表すとこれらの言葉がよくあてはまります。
しかし、我々はできるだけ早く復興と再建に向けて歩みださなければなりません。
会見や報道でよくでてくる言葉は「未曾有」。
「未曾有」とは「未だかつて有らざる」の訓読であり、きわめて珍しい事件を意味するようです。しかし、ここ最近の風潮として「未曾有」という言葉が何か言い訳のように使われている気がします。
「未曾有」からは何も生まれてこないのです。
我々が感じている無力感の奥底にある課題を浮き彫りにしなければ次にはつながらないのです。そういう意味で今回の震災は非常に多くのことを教えてくれる機会になり得ます。

原発事故で燃料プールの水が少なくなってしまうこと、放射能汚染水があらゆるところに漏れだしていること、これらは想定外の事実だったと思います。
調達・購買についても多くの想定外の事実が浮かび上がってきています。
東北地方の被災でここまでモノの供給が止まること、マルチソースしていても源流の素材や原材料は同じ供給源であったこと、半月近く生産を止めることで起こった数々の副次的な影響などなど、、
想定していない事案が数多く起こりました。
しかし、多くの想定していなかった事実を知ること、これが我々が今後のためにやらなければならないことなのです。
多くの方は事実を知ること=リスク回避、軽減のための手を打つこと、と考えがちです。しかし、そうする必要はありません。

リスクマネジメントの対応策は「回避」「軽減」「転嫁」「受容」の4つです。

未曾有の事案に備えていくらでもお金をかける必要はないのです。
敢えてリスクを取る=「受容」も一つのリスクへの対応策なのです。
リスクの「受容」は全く対応策を取らないのではありません。
リスクを「受容」することで起こり得る事案に対して、「事前に」対応策をたてておくことがリスクマネジメントなのです。
水蒸気爆発が起こり冷却できなくなったらどう対応するのか、水が漏れたらどう対応するか、陸送ルートが遮断された場合にどのように供給ルートを確保するのか、源流のトラブルに対してどのような対応をするのか、生産が一週間以上とまった場合にサプライヤの支援をどのようにしていくのか、これらのような起こり得る事実(問題)に対する対応策を「事前」に計画しておくこと、これが重要なのです。

そのためには「多くの想定していなかった事実を知る」ことから始めましょう。
そして「何ができたのか」「何ができなかったのか」「できなかった理由は何か」「どうすればできるのか」これを考えていきましょう。

私やアジルアソシエイツでは坂口さんや購買ネットワーク会と協力しながら、現場バイヤーによるこのような活動を支援していきたいと考えております。

まずは、2011-04-09 (土)『東北関東大震災に立ち向かうバイヤーの会』が開催されます。
詳しくはこちらまで。
http://www.co-buy.net/modules/eguide/event.php?eid=99

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野町 直弘

株式会社クニエ プリンシパル

NTTデータグループのコンサルティング会社である株式会社クニエの調達購買改革コンサルタント。 調達・購買分野に特化したコンサルティングを提供している株式会社アジルアソシエイツの元代表。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルがサービス提供を行います。

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