実感のない言葉

2007.10.19

営業・マーケティング

実感のない言葉

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

私は、マーケターとしてのキャリアを 「リサーチャー」 から始めました。 「リサーチャー」の仕事は、簡単に説明すると、 消費者対象のアンケート調査などの企画立案や調査票の設計、 データの集計・分析、報告書作成等を行うものです。

こんな疑問があれこれわいてきて、
このコピーを信じる気にはなれないですよね。

また、以前、JR東日本のあるポスターには、

「アイラブ東日本」

というキャッチコピーが書かれていたそうです。

谷山氏は、このコピーについて次のように
斬り捨てています。

“「アイラブ東日本」のように、
 日本の東側半分だけを愛している人など
 ひとりもいないはずです。”

「アイラブ東京」「アイラブ大阪」
という人は確かにいますよね。

私はもちろん、

「アイラブ福岡」(ふるさとですから)

でも、

「日本アルプスから東側だけが私は好きなんだ」

というのは、人の感情としてまずありえないでしょう。

谷山氏は、前述した

「古本の涙の跡」

のようなウソはすぐに見抜けるけれど、

「アイラブ東日本」

のようなハイレベルのウソは
なかなか気づきにくいと述べています。

だから、JR東日本のポスターに堂々、
このへんてこりんなコピーが採用されてしまった。

そしてもちろん、このメッセージは
ターゲットユーザーには届かず、

「広告の無駄遣い」

という結果に終わっているわけです。

コピーに限らず、文章作成において、

「実感のない言葉」「伝わらない言葉」

をうっかり書いてないか、注意したいですね。
(自戒を込めて)

*『広告コピーってこう書くんだ!読本』
(谷山雅計著、宣伝会議)

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有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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