歴史に学ぶ、リーダーがしてはならないこと

2011.02.21

ライフ・ソーシャル

歴史に学ぶ、リーダーがしてはならないこと

増沢 隆太
株式会社RMロンドンパートナーズ 東北大学特任教授/人事コンサルタント

リーダーとは、組織を統率することがその役割です。その組織が大きくなればなるほど、統率がキレイ事だけでは済まないことは、管理者、指導者であれば理解していなければなりません。

民主党の院内会派離脱を表明した16人。それに対する菅総理、岡田幹事長の態度は冷笑と黙殺でした。幹事長が認可しなければ、院内会派結成は出来ないという原則を握っている強気からでしょうか、岡田氏は「パフォーマンスに過ぎない」と斬って捨てました。
造反なのか原点回帰なのかの判断はさておき、16名の離反について、組織統制、リーダーとして、どうあるべきでしょうか。

主流派に対し、反主流派が造反する、というのは過去にも多数ありました。しかし今回の離反は、その全員が「比例単独候補での当選者」であるという点が特徴です。16人は要するに民主党ブームに乗って当選した、自分らの実力外の、単なる数合わせ議員に過ぎない存在であり、小選挙区への転進も認められない、次回の選挙での当選はまずおぼつかない数合わせのコマ扱いされていたのです。

自分の実力外で国会議員になったといえば小泉チルドレンが有名ですが、タレント化したり、目立つパフォーマンスでいまだに目にする人たちもいることはいますが、圧倒的多数の小泉チルドレンは、政権交代と共に消え去って行きました。
これと同じ扱いが、比例単独で当選した今回の16名と同じ立場の人たちです。

「お前たちは数合わせ候補にすぎない」という扱いをされた側はどうでしょうか。同じ政治家・衆議院議員なのに、同じ労働者なのに、人しての存在を否定されたかのような扱いに、何も感じない人はいません。
さらに大切な事は、単に組織の人身を掌握出来ていなかっただけでなく、今回のように、実務上のリスクがあることを計算出来ていなかった点です。16人は「存在価値の無い議員」ではなく、数合わせに「存在理由の有る」議員だったのです。

リーダーや指導者、人の上に立つ人が、絶対に見損なってはならないものは人の心です。人心の掌握が出来ないリーダーはリーダーではありません。リーダーシップは単に人気だけによるものではなく、リーダーによっては恐怖や畏敬による求心力もあります。織田信長が畏れとともに敬意を集めるリーダーであったこと。人たらしと呼ばれた魅力で有力武将を次々味方に引き入れた豊臣秀吉も、敵や造反者には残虐な処刑を行う等、手法はさまざまながら、リーダーは常に人心の掌握に腐心してきました。

(16人の離反は)「しょせんパフォーマンス」という岡田幹事長の言葉には、やはり大富豪の子として生まれて東大を出ていても「リーダー」としての資質は無い、と感じざるを得ません。幹事長が、院内会派離脱許可権を握っているのであれば、鼻で笑うような扱いをするのではなく、「これまでの粗雑な扱い、誠に人として申し訳なかった」として土下座したらどうなのでしょう。

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増沢 隆太

株式会社RMロンドンパートナーズ 東北大学特任教授/人事コンサルタント

芸能人から政治家まで、話題の謝罪会見のたびにテレビや新聞で、謝罪の専門家と呼ばれコメントしていますが、実はコミュニケーション専門家であり、人と組織の課題に取組むコンサルタントで大学教授です。 謝罪に限らず、企業や団体組織のあらゆる危機管理や危機対応コミュニケーションについて語っていきます。特に最近はハラスメント研修や講演で、民間企業だけでなく巨大官公庁などまで、幅広く呼ばれています。 大学や企業でコミュニケーション、キャリアに関する講演や個人カウンセリングも行っています。

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