インターネットで家づくり?住友林業のWEB戦略とは

家を買うことは一生に一度、せいぜい数回程度で、何度も経験できることではない。「家」を買う=建てる、となると、モデルハウスやショールームに出かけて行って、イメージや夢を膨らませることが一般的である。しかし、インターネットの普及に伴い、ホームページで事前に商品情報を仕入れてから出かけることが多くなっている。


◆利用者にはじめて使う価値を提供した「木達(こだち)」サイト
小川の悪戦苦闘がしだいに実を結び始める。幾多の経験を重ね、ホームページでイベントをしよう、と本気で考えられるまでになった。それまでは商品情報発信や資料請求等の一方的な情報発信に止まっていたが、消費者が参加する双方向的なページ内容を加えた。ホームページへの訪問者が増加し、環境的にも、技術的にも十分な成果が見込めるということで、「木達(こだち)」サイトを立ち上げた。コストバランスにすぐれた300のベースプランを用意した「プランニング・ナビゲーション」ではプランの選択が、「パッケージ・ナビゲーション」では自分のこだわりをカタチにすることができ、しかも価格が分かることが大きな特長となっている。WEB戦略担当として経験を積んできたことがホームページの訪問者や問い合わせ、資料請求の増加として結実して来た。






◆新型インフルエンザに負けない「WEB住まい博」
ホームページが販売促進戦略の一つになってきた。平成22年、新型インフルエンザの影響で、東京、大阪、名古屋の三大都市圏で開催予定の「住まい博」*が中止となったため、ホームページでの実施を検討し、「『WEB住まい博』家づくりテーマパーク」として、同年2月に3週間の期間限定で開催した。「WEB住まい博」では、住まいづくりに役立つコンテンツが閲覧でき、バーチャル体験を通して楽しみながら住友林業の家づくりが分かることが特長。インターネット環境を利用した家づくりのテーマパークであり、複数のパビリオンから成っていて、サイト上にあるさまざま参加型コンテンツを通して、楽しみながら住まいづくりに役立つバーチャルな体験ができる。また、閲覧履歴が記録できる「My住まい博」機能を持たせ、さまざまなタイプの設備仕様の組み合わせをシミュレーションして希望の住宅イメージをつかむなど、じっくりと時間をかけながら継続して楽しめるようになっている。「WEB住まい博」は好評だったため、同年7月にも開催するなど、戦略的な継続が決まった。
(*「住まい博」:住まいについて、目で見て直接触れて、住友林業の家づくりを大規模会場で体験できるイベント)




◆会社を辞める覚悟で取り組む
今振り返ってみると、小川が幸運だったのは、数多くの経験ができたことだ。WEB戦略の費用対効果は厳しく問われた。目標を達成できなかったときには、会社を辞める覚悟でやってきた。必死な思いや苦労があったからこそ、現在、様々なホームページを開けるようになったのだという。WEB戦略には、メールマガジンの発行や、注文住宅専門ポータルサイトへのWEB広告の出稿、リスティング広告の実施、携帯電話サイトの活用、ホームページのリニューアルなど、さまざまな手法が含まれる。小川はそうした実務を通じ、自分で考え、動いて、人脈づくりにもつなげてきた。消費者の楽しめるホームページづくりにも、それらの経験が結びつきつつあるという。

続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。