「ドライブスルー活況」にほくそ笑むのは誰か?

2011.02.02

営業・マーケティング

「ドライブスルー活況」にほくそ笑むのは誰か?

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

 日本経済新聞の記事によると、ドライブスルーが活況であるという。ドライブスルーといえば誰もが思い浮かぶマクドナルドだけでなく、カレーのCoCo壱番屋や、長崎ちゃんぽんリンガーハットなどの意外な存在も名を連ねている。

 記事は2月1日付消費面のコラム「消費のなぜ?」に掲載された。タイトルは「ドライブスルー快走 自宅で味わう外食気分」とある。高速道路の割引料金やガソリン安が追い風となって、マクドナルドではドライブスルー併設店がここ数年、売上げが2桁近い伸びだという。他にも景気のいい数字が誌面に踊る。リンガーハットは2010年6月から既存店にドライブスルーの併設を進めて、改装した約40店で売上高が5%増加。CoCo壱番屋は対応店23店では月商が50万円上昇だとある。
 マクロミルの調査で利用実態の裏付けをしている。日頃からドライブスルーを利用しているのは41.1%で、うち29.2%が3年前より利用頻度が増加。利用するためにクルマで外出する消費者も2割近くいるという。
年齢層は20代50%、30代36.3%。食べる場所は自宅47.2%、車中45.5%。「ドライブスルー利用のメリット」の回答は「天候を気にしなくていい」が38.7%、「身なりを気にしなくていい」「1人でも入りやすい」が20%超、「子ども連れでも利用しやすい」「他の客を気にしなくていい」が20%弱という結果だ。(以上、記事より要約)

 記事を見ればドライブスルーの活況は誰の目にも明らかであり、外食チェーンはさらにドライブスルー対応店を増加させて行くであろうことも明白だ。では、それと通底する他の動きはないかを考えてみる。

 記事の価値は大きく2つある。具体的にドライブスルーがどの程度活況かということを数字で伝えてくれていることと、マクロミルのリサーチパネルによる消費者行動の「理由」が明示されていることだ。

 Wikipediaによれば、1977年に日本マクドナルド・環八高井戸店でドライブスルーが設置・導入されたとある。利用者のボリュームゾーンは20代~30代であるが、真ん中の35歳を例にすれば1976年生まれなので、生まれた年からドライブスルーがあり、その成長過程において慣れ親しんできたといえるわけだ。

 実は告白すると、筆者は出不精だ。故に、意を決して出かけたなら「せっかくだから店で食べればいいじゃん」と思ってしまう。しかし、利用者はドライブスルーを「家庭の延長」として見て、店内で食べるより人に迷惑をかけないし、自分たちだけでくつろげるというメリットを感じている。そのためにわざわざクルマで買いにいく層も少なくないという結果が出ている。さらに筆者の感覚をいうなら、わざわざ車で出かけて、買って帰ってくるということは苦痛なのだが、面倒さというデメリットを上回るメリットがあると利用者は考えているのだ。
 と、考えると、実は昨今活況を呈しているもう1つのサービス思い浮かぶ。「デリバリー」だ。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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