日本人は少なくとも地球2.3個分の消費をしている

2011.01.28

経営・マネジメント

日本人は少なくとも地球2.3個分の消費をしている

中ノ森 清訓
株式会社 戦略調達 代表取締役社長

WWFジャパンとグローバル・フットプリント・ネットワークとの発表によると、日本人は、現在の所、地球2.3個分に相当する消費をしているという。 我々はこの数字をどう受け止めるべきだろう?

WWFジャパンと持続的成長を支援する米国の国際シンクタンクであるグローバル・フットプリント・ネットワーク(Global Footprint Network:GFN)との発表によると、日本人は、現在の所、地球2.3個分に相当する消費をしているという。

この指摘は、WWFジャパンとGFNが共同でまとめた「エコロジカル・フットプリント・レポート 日本 2009」でなされている。この報告書は、農林水産物の消費や、二酸化炭素(CO2)の排出により、日本がどれ位、地球の自然環境に負荷をかけているかを示したもの。

エコロジカル・フットプリントとは、人ひとりが消費したものを生産・廃棄するのにどれだけの土地が必要になるかを表した数値で、グローバル・ヘクタール(gha)という単位で示す。輸入品についてはghaに加算され、輸出品については消費地のghaに計上されるため、輸出国のghaからは減算される。

エコロジカル・フットプリントの評価できる点は、地球への負荷について、農林水産物資源の消費も含めており、CO2削減の一つの側面だけで捉えていない点、貿易の観点を取り入れることで、国境を越えた地球への負荷の責任の所在を明確にしている点、地球何個分という表現で分かりやすく目指すべきゴールが(「少なくとも1個分には抑えなければまずいんじゃないの」という形で)誰にも自ずと導き出される点が評価される。

2006年時点の地球全体の資源を生産、廃棄物を吸収する能力は119億ghaで、66億の人口で割ると、人類一人あたり1.8ghaの割り当てしかない。それを日本人は一人あたり4.1gha消費している。それゆえ、日本人は地球2.3個分の消費をしているということになる。尚、世界で最も一人あたりの消費が大きいのはアラブ首長国連邦の約10gha、次いで、アメリカ合衆国の9ghaとなっている。世界最大のCO2排出国となった中国は、現在の消費水準ではほぼ1.8ghaに留まっている。

ここは「日本よりもghaが大きな国があるから良いではないか」ということではなく、やはり、世界中のあらゆる人間一人ひとりが地球1個分の消費に留めるにはどうすればよいかを考えるべきだろう。

しかも、エコロジカル・フットプリントは有限の資源を一人ひとりに割り振るという考え方なので、人口増が続いたり、生産、廃棄物の吸収が可能な土地が減少すれば、当然、一人あたりの割当は小さくなる。一方で、一人あたりの消費が高まれば、当然、消費分のghaは大きくなる。ghaが現在の地球1個分の消費量である1.8ghaを下回っているのは、発展途上国が殆どで、今後これらの国々での経済成長が進めば、消費ghaは更に多くの国で地球1個分を上回ることになるだろう。何れの国の人々も、より豊かになること、より多くの消費を望んでいるだろうし、その権利はあまねく認めるられるのがフェアであろうから、そうなることは致し方ない。

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中ノ森 清訓

株式会社 戦略調達 代表取締役社長

コスト削減・経費削減のヒントを提供する「週刊 戦略調達」、環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例や、それを支えるサプライヤなどを紹介する「環境調達.com」を中心に、開発・調達・購買業務とそのマネジメントのあり方について情報提供していきます

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