コスト低減のパンドラの箱を開けよう

つまり、買い手企業にとっても、これまでコスト削減に手をつけてきた品目カテゴリで交渉を続けていればコスト削減ができるという余地がどんどんなくなってきているということだ。

買い手企業に残されているのは、これまで交渉によるコスト削減を進めてきた分野で、VE・開発購買によって、仕様の適正コストそのものを低減するか、工場のMROや少額資産品、研究所や開発部門などでの細かい品目の都度購買や広告宣伝・販促関連、人材派遣や業務委託などエンドユーザ主導で調達が行われており、現状把握すら出来ず成果を挙げる事が難しいと言われている品目カテゴリに転地をするしかない。

いずれも調達・購買部門から見れば、難易度が高く、着手しようとふたを開けると、実態把握の手間やエンドユーザの反発など色々な問題が噴出し、正にコスト低減のパンドラの箱とでも呼ばれる領域だ。しかし、これから調達・購買で成果を上げようと考えるならば、このコスト低減のパンドラの箱を空けなければいけない。恐れることはない。パンドラの箱と違い、そこから出てくるものは、災いではない。何れも、一つ一つ取り組んでいけば片付けられる問題だ。そして、それらの

問題を解決した後に残るのは、これまで手付かずだった故の大きなコスト低減の成果

中ノ森 清訓／株式会社　戦略調達 代表取締役社長

調達・購買業務に関わる代行・アウトソーシング、システム導入、コンサルティングを通じて、お客様の「最善の調達・購買」を実現することにより、調達・購買コスト、物流費用、経費削減を支援する傍ら、日本における調達・購買業務とそのマネジメントの確立に向け、それらの理論化、体系化を行なっている。
コーポレートサイト： http://www.samuraisourcing.com/

現在、最新のトピックスから、調達・購買業務とそのマネジメント、コスト削減・経費削減のヒントを提供する「週刊　戦略調達」と、調達・購買からできる環境経営に関する情報発信を行う「環境調達.com」、これらの記事で2010年を振り返るという企画を実施しています。

それぞれの記事一覧の中から、2010年を最も象徴していると思われるものをお選び頂、集計の結果で現在の世相を占います。30秒と掛かりませんので、よろしくお願い申し上げます！

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