交渉力と交渉術

2010.12.09

経営・マネジメント

交渉力と交渉術

野町 直弘
株式会社クニエ プリンシパル

交渉力と交渉術。バイヤーに必要なのは? それを効果的に身に付けていくためには・・・

先日東京で開催しました弊社主催の「調達・購買部門人材向け交渉力セミナー」でも話をしましたが、交渉力と交渉術は違うものです。

「いい人・悪い人」「締切設定」「交渉不可能」「サラミ戦術」などなど、交渉や議論をする上でこちらに有利な結果をもたらすように誘導するテクニックを一般的に交渉術と呼びます。

一方で交渉力とは「交渉プロセス全体を管理し、創造的な結果をもたらす力」です。
つまり交渉や議論の中での話法やテクニックだけでなく、交渉の流れを自ら作り、コントロールしていく力が「交渉力」なのです。

私はバイヤーにとって、より求められる力は後者の「交渉力」であると考えます。

それでは交渉の流れを自ら作り、コントロールしていく力で大切なことは何でしょうか?
いくつかの交渉原則の中でも最も重要なことは「自分および相手の本来のニーズを知る」ことです。

バイヤーはサプライヤ相手だけでなく社内のキーパーソン相手にも日々色々な会話や調整、交渉をしています。
その過程で表面的に語られていることは実は本来のニーズではないことが多いのです。

「いついつまでにこの仕事をやってください」という「いついつまでに」という言葉には本来のニーズは含まれていません。

「何故この納期なのか?」の「何故?何故?何故?」何回か繰り返すことで「重要なのは納期ではなく、平行して行っている作業の手待ちを失くすこと」が本来のニーズであることがわかります。
そうして「平行して行っている作業(者)と事前に情報を共有する」ことで品質を上げながら、納期も短縮できる、という結果につながるのです。
このように本来のニーズが何かを知ることが創造的な交渉結果を導くのに重要なことなのです。

バイヤーの場合、通常1対1の交渉ではありません。
1対nやn対nの交渉になることが多いのです。

我々のセミナーでもn対nの交渉ロールプレイをやってもらいます。
ロールプレイでは想定外のことが色々おこります。

先日もバイヤー企業側が必要量の購買を行えなくなり、またサプライヤ側も予定量の販売を行えない、という状況がおこりました。
実はこの原因となったのは「交渉の順番」だったのです。

このロールプレイでは三回の交渉を購買企業四社vsサプライヤ四社で行うのですが、三回目の交渉は購買企業側からそれぞれのサプライヤとの交渉順番の要望を出させ、それに基づき各購買企業とサプライヤが交渉を行い、交渉を妥結させるのです。

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野町 直弘

株式会社クニエ プリンシパル

NTTデータグループのコンサルティング会社である株式会社クニエの調達購買改革コンサルタント。 調達・購買分野に特化したコンサルティングを提供している株式会社アジルアソシエイツの元代表。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルがサービス提供を行います。

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