「スター社員の仕事術」~ビジネス・アライアンスを学ぶ~

2010.09.29

仕事術

「スター社員の仕事術」~ビジネス・アライアンスを学ぶ~

今野 誠一
株式会社マングローブ 代表取締役社長

どの業界でも、競争は激化する一方で、競合とでさえ手を組んで、生き残りをかける例が多く見られるようになりました。今や、独立独歩で完全に自社だけで事業運営をしていける会社は少なく、大なり小なり何らかの形で他社と協力し合わないとビジネスが成り立たないという時勢。うまくアライアンスを築くためには、お互いのメリットが尊重されるWIN-WINの関係が必要となります。

■□■ ビジネス・アライアンスの失敗要因 ■□■

(1)お互いの信頼関係(特にトップ同士の強い意志の確認)が構築できないままに進む。

事態打開のために苦肉の策として、準備不足のうちに打ち出したアライアンス戦略。
ひどい場合には思いつきでの着手という場合もありますが、たいていの場合に話を進めていくうちに色々なギャップが発見されていくことになります。
この後の項の、お互いの企業文化や経営方針の理解や、トップ同士の強い意志の確認などは、特に重要です。

(2)企業文化や経営方針のギャップ

企業文化や経営方針のギャップは、理解が不足していると、仕事の進め方の違いや価値感の違いとして表れて、徐々に亀裂に発展していきます。

(3)コミュニケーションの不足
 
企業同士のアライアンスでこそ「ほう・れん・そう」は重要になってきます。
お互いの現状への理解の違いは、ボタンのかけ違いへと発展していきます。

(4)注力度合いの差
 
最初はお互いに熱く燃えてスタートしたアライアンス関係も、徐々に温度差が出てくるものです。
一方に偏ることなく、どこまでも「共同で」事業推進をしなくてはなりません。
主従関係が感じられ始めたら、それは失敗の予兆です。

(5)関わるスタッフのレベルのギャップ
 
最初から、最高のスタッフを投入しなくてはなりません。
本業でまともに仕事ができないようなスタッフに仕事を与えるために投入するなどということでは、うまくいくわけがありません。

(6)惰性での継続
 
常に一緒に進める事業を「進化させる」マインドで、一致していなくてはなりません。
時間と共にトップの興味関心も薄れ、回していくだけの惰性の継続も失敗への一歩です。
社内の「本業」以上に、常に改善する、常に進化させることに熱い気持ちを持ち続ける必要があります。

(7)得られるメリットのギャップ
 
進めていく過程で、最も確認が必要なことが「お互いのメリットを尊重できているかどうか」です。
どちらかにメリットが偏って来ていることがわかったら、ただちに修正の話し合いが必要です。
WIN-WINでないアライアンスが長続きすることはありません。


この「スター社員の仕事術シリーズ」の直近8回の内容は、ビジネスアライアンスの成功のポイントとしても共通の内容であると思います。
おさらいの意味で列挙してみますが、どの項目を読み直してみても、対象が企業同士だとしても当てはまることがわかると思います。
ぜひ読み直してみていただきたいと思います。

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今野 誠一

今野 誠一

株式会社マングローブ 代表取締役社長

組織変革及びその担い手となる管理職の人材開発を強みとする「組織人事コンサルティング会社」を経営。 設立以来15年、組織変革コンサルタント、ファシリテーターとしてこれまでに約600社の組織変革に携わっている。

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