日本はIFRSを適用するのか、もしかしたら2012年に現状の路線を取り下げるのではないか。最も基本的かつ根本的な問題を考えます。
ちなみに、すでに日本ではIFRSが法的に認めているわけですが、その中でもカーブアウトを行なっていません。カーブアウトとというのはIFRSの一部を採用しないことで、EUなどでは行なわれています。EU の各国ではIFRSの適用には承認手続が必要でその承認が通っていないものは適用されていません。EUなどでさえ、カーブアウトを行なっている中で、日本は敢えてそのようなことはせず、full IFRSを適用しようとしているわけです。ここで日本版のIFRS解釈指針を出してしまえば、それは日本版IFRSであって真にfull IFRSではなくなってしまうのです。
疑問③それではどうしたらいいのか
日本がIFRS適用をするのは確実で、適用を助けてくれる指針も出ないであろうという状況で、日本企業はどのように対応していけばいいのでしょうか。
まずはIFRSという会計基準に「慣れる」べきです。IFRSの知識をすでにつけていらっしゃる方が多いので、それを実践に移すことです。自社としてはどういう適用をするべきなのか、実際に会計方針を考えてみることが必要なのではないでしょうか。
一般的にIFRSと自社の会計処理を比較する差異分析を最初に行ないます。ここで会計基準の項目を羅列するだけでなく、どのようにその規定を判断するのかというところまで考えなくては、本当の意味での分析はできません。そのような深いレベルでの分析を行なってみることが本当の意味でのIFRSの適用に必要です。
IFRSを自社に適用すると何が問題になるのか、ということを具体的に考えるのが取り組みへの第一歩として重要です。
野口由美子
株式会社イージフ
http://aegif.jp/
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