エコ、エコだけではモノは売れない。凸版印刷の調査から

2010.08.20

経営・マネジメント

エコ、エコだけではモノは売れない。凸版印刷の調査から

中ノ森 清訓
株式会社 戦略調達 代表取締役社長

凸版印刷が推進するソーシャルプロジェクト研究会が、このたび環境意識と購買動向の調査結果を発表しました。 この調査結果からは、現時点では、エコ、エコと謳っても、モノは売れないということが伺えます。 では、売れないからといって、環境負荷低減、環境経営の歩みを止めて良いものでしょうか?

調査は、2010年6月にインターネットによる記入式で、20~60歳以上の男性260、女性260、計520サンプルを対象に行われました。

調査結果からは、商品購入の際にその商品が環境負荷への配慮をしたもの(エコ)かどうかを意識する人は多いものの、実際の購買の意思決定では、エコよりもデザインや価格が優先される傾向があるとのことです。

具体的なポイントとしては、

1.買い物をする時に商品が環境配慮型であるかを「意識する」が3.5%、「商品によっては意識する」が66.1%と、合わせて69.6%、約7割が商品によっては購入時に環境負荷への配慮を意識している

2.価格が同じ場合、「好みのデザインの商品」を選ぶが63.8% と「環境配慮型の商品」の17.5%、品質が同じ場合、「価格が安い商品」を選ぶが62.5%と「環境配慮型の商品」の28.7%よりもそれぞれ大きく上回り、購入時の意思決定では、エコよりも「デザイン」や「価格」が大きく影響する

3.環境保全に貢献している実感として、「照明のスイッチをこまめに消す(82.5%)」「簡易包装を頼んだり、レジ袋を断ったとき(79.4%)」など自らアクションを行うことの方が、「エコポイント商品(65.3%)」「古紙利用のトイレットペーパー(65.2%)」「エコマークなどの環境ラベル付商品(61.3%)」「途上国への寄付金付商品(61.1%)」「国産品(50.2%)」などのエコ商品と言われているものの購入よりも強く感じられる

4.特に、エコ商品の購入については、何れの商品であっても約3割から4割強の回答者が「環境保全に貢献していると実感できない」と感じており、「照明のスイッチをこまめに消す(16.0%)」「簡易包装を頼んだり、レジ袋を断ったとき(18.8%)」などの自らのアクションに比べて、エコ商品の購入を環境保全への貢献と評価していない人が多く存在する

といったことが明らかになりました。 (出所:2010年8月16日 凸版印刷プレスリリース)

この調査結果から、現時点では、エコ、エコと謳っても、モノは売れないということが分かります。消費者が求めているものは、エコよりも、デザイン、価格ということです。

では、売れないからといって、環境負荷低減、環境経営の歩みを止めて良いものでしょうか?

答えは否です。

そもそも、環境負荷の低減や環境経営は商品を売るために行うものでしょうか?そうではありません。これからは、環境負荷をなくす、自らが課した環境負荷に対して応分の負担をしていかない企業は、淘汰される時代が、遠からずの将来訪れるでしょう。環境負荷の低減や環境経営は、企業の責任、信念として、続けていくべきものです。

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中ノ森 清訓

株式会社 戦略調達 代表取締役社長

コスト削減・経費削減のヒントを提供する「週刊 戦略調達」、環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例や、それを支えるサプライヤなどを紹介する「環境調達.com」を中心に、開発・調達・購買業務とそのマネジメントのあり方について情報提供していきます

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