サイバーエージェントにおける創業戦略

2007.10.08

経営・マネジメント

サイバーエージェントにおける創業戦略

猪熊 篤史

池袋ビジネススクールで開催したオリジナル・ケーススタディを通して考えた、サイバーエージェントにおける成功のための創業戦略についてご紹介します。

2. 事業コンセプト、ビジョン
 漠然としていても事業に対する何らかの目標やイメージは欠かせません。サイバーエージェントの藤田社長も「インターネット関連の事業」という漠然としたイメージを持っていたようです。宇野社長の助言もあって「インターネットの営業専門会社」を初期の事業コンセプトとすることになりました。

→目標、夢、希望、能力、顧客や社会のニーズなどが重なりあってビジョンが描かれるようです。具体的でなくても何らかのビジョンや想いがなければ行動はおきないものです。

3. 強み
 事業のコアになる強みがあることも大切です。サイバーエージェントの場合、営業力、人材採用や人材管理に対する知識や経験など、藤田社長が大学時代のアルバイト、あるいは、インテリジェンスでの1年弱の仕事を通して得た経験、知識、能力が創業の原動力になっていたようです。

→気合や根性だけで上手くいくほど世の中は甘くないようです。人と違う何かが必要です。少なくても、「これは人に負けない」と思える何かを持つことが大切です。

4. コア事業
 労力、時間、資金など大切な経営資源を集中する対象が必要です。サイバーエージェントは、創業から間もなくクリック保証型の広告事業に集中して事業を展開しました。最初は他社のシステム(ダブルクリック)の販売代理店をしていましたが、すぐに自社システム(サイバークリック)を開発します。その後、メルマガ広告事業も立ち上げています。こららの事業によってサイバーエージェンとは、「インターネット関連の何でも屋」から「インターネットの広告会社」としての地位を確立していくことになりました。

→創業当初の事業計画の通りに事業を展開して成功したという話をほとんど聞いたことがありません。一期一会というか、偶然の出会いを大切にすること、チャンスをつかむことが大切です。

5. パートナーシップ
 創業チームも大切ですが、顧客、あるいは、取引先とのパートナーシップも欠かせません。吹けば飛びそうなベンチャーが自社単独で事業を立ち上げることなどできません。サイバーエージェントの場合、創業初期の運転資金を稼ぐための事業パートナー(ウェブマネー)に恵まれていました。また、クリック保証型広告システムやメルマガ広告システムを開発した堀江貴文氏が率いたオン・ザ・エッヂ(現:ライブドア)とのパートナーシップがなければ現状に至らなかったと言えそうです。

続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。