景気好転?デフレ不況の果ての「価値観の変化」を見逃すな!

2010.07.01

営業・マーケティング

景気好転?デフレ不況の果ての「価値観の変化」を見逃すな!

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

 スーパーのPB(プライベートブランド)商品、ユニクロ、そしてカルティエ・フェラガモ・ディオールなどの高級ブランド商品。一見何の関係もないようなこれらの商品から、消費者の新たな価値観を探ってみたい。

■低価格志向から転じる小売業

 日経MJ6月30日に2009年度小売業調査の結果が掲載された。その中で、第3面に気になる動きが掲載された。「低価格戦略 変化の兆し」との見出しがある。<景況感の回復を受け、低価格一辺倒を見直そうとしている>と、流通各社の動きを報じている。特に、消費者の価格意識の変化に対する各社の読みは、<「低価格志向が強まっている」と見る企業は66.3%で、前回(80.6%)より大幅に少なくなった>という。それを反映して、<09年度は47.3%が積極的に価格を引き下げたのに対し、10年度に同じ方針を掲げる割合は30.6%にとどまった>という。
 デフレ時代の寵児、PB商品にも今後変化が現れることになる。価格が下げ止まるとはいえ、NB(ナショナルブランド)の価格低下によって優位性が揺らぐPB商品。各社は今後の開発方針として、機能は<「不要な機能を省く」が12.1%だったのに対し、「新しい価値を付加」は32.7%>、品質は<「過剰な品質は見直す」4.7%を原材料を吟味45.5%が上回った>(※紙面図表)としている。明らかに「価格据え置き・価格を上回る価値を創出」という方向性を示している。

■ユニクロの基本戦略と消費者の要望

 消費者の購買意識の変化はユニクロに対する要望にも現れている。
 株式会社ORIMOによる「~ユニクロとWEB キャンペーンについての調査~」の結果(6月25日ニュースリリース)
 http://www.orimo-r.com//admin/upload_2/1277508850.pdf

  ユニクロを知っている20-59 歳の男女各500名の同社モニターに対するモバイルリサーチにおいて、「今後ユニクロに期待すること」を複数回答で聞いたところ、<トップは
「品質向上(74.4%)」で圧倒的となった。次いで、「低価格化(57.3%)」、「インターネット販売(22.3%)」の順となった>という。つまり、17%以上の差を付けて、「価格より品質」が求められる結果となったわけだ。

 ユニクロといえば、際だった安さで注目を集めたのは確かだが、同時に「品質」へのこだわりは徹底している。汗の吸収に優れたドライ感が売り物の「ドライカノコポロ」はユニクロの夏の定番だが、クローゼットに購入年の異なるユニクロのポロシャツがあれば、是非並べてみるといい。着心地の向上とシルエットの変遷に合わせるために、デザインは細部にわたり改良が加えられている。「機能性」へのこだわりも凄まじい。冬のヒートテック、夏のブラトップも機能性高めるため、毎年進化を繰り返している。
 それらは、消費者に対して「価格を上回る価値を創出」するための飽くなき挑戦なのである。ユニクロに対する要望が、「価格よりも品質」であることは、その戦略がまさに消費者の価値観にミートしていることを表しているのだ。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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