国際会計基準が導入されると損益計算書よりも貸借対照表を重視されるようになり、当期利益から包括利益へ利益概念が変更になるということが言われています。当期利益はいらなくなってしまうのでしょうか。
現在の審議ではこの2計算書方式を廃止しようという提案がなされています。この提案は2010年5月に公開草案として公表されています。
実際、投資家にとっても当期利益を重視して企業の評価を行っている場合が多く、企業としても当期利益を末尾に表示する損益計算書を採用したいという意見が根強くあります。そこで公開草案では当期利益の重要性を軽く見ているわけではないというスタンスを示すため、公開草案では新しい計算書の名前を「当期純利益及びその他包括利益計算書」としています。非常に長い名前で実務上は定着しないかもしれません。
今回の提案は、さまざまな意見を集約し譲歩をしながらも、国際会計基準では包括利益重視を実現しようとするIASBの強い意図が表れているようにも思います。
野口由美子
株式会社イージフ
http://aegif.jp/
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