業務の効率化は社内文書の見直しから

2010.05.29

経営・マネジメント

業務の効率化は社内文書の見直しから

荒川 大

前回は、海外子会社を管理するための規程整備の在り方について、その考え方や参照する法令について書いてみました。今回は、子会社から考える規程の在り方からソフトバンク社の孫社長のtwitterマネジメントまで。

一般的に事業子会社は、親会社が管轄する事業の一部を専業的に担う会社という位置づけになることが多いのですが、専業的であるがゆえに、管理業務は最小限を余儀なくされ、高度に効率化していくことが求められます。

ちなみに業務の効率化を考える場合、例えばISO20000などのフレームワークから改善していくなど、プロセス管理を重視することも多いのですが、実際にクライアントの方々とお話ししていると、方針・指針及び禁止事項の明文化が先ではないかと感じることも多くあります。

また、100%子会社であっても、ガバナンスの観点から考えると、親会社が子会社になんらかの業務遂行の命令をしたとしても、子会社はその親会社の命令を履行するのかどうかについて協議・確認及び承認・実行というプロセスが必要となります。

◆ 子会社が重視すべきは国内法

規程整備という観点に限定して考えれば、子会社が重視すべきものは展開拠点が在る国家における国内法です。
業務におけるルール、許認可、雇用、環境対策など、すべてをその国内法に準拠した形で事業を運営する必要があります(当たり前なのですが…)。

しかし、この当たり前のことが、日本国内にいるとなかなかわからないことも多く、これら法的な差異に加えて、商習慣の違いなども含めた企業統治をおこなわなければなりません。

子会社が規程体系を整備するということは、親会社に子会社がどのような枠組みの中で事業運営をしているのかどうかを伝えるためにも重要な取り組みとなります。

大企業であれば、現地に派遣又は出向させ、現地の取り組みを体験させてから事業部門の責任者にするといったことができますが、中小企業で海外に責任者を向かわせる場合、事前に事業を理解するためには、その国内ルールを知ることがとても重要になります。

◆ やっていいものか、やってはいけないものか…

たとえば、日本国内で規程を定めた場合「付帯する事項」という文章が書かれることがあります。

「付帯する事項」とはどんなことなのでしょうか?

日本人であれば、日本企業であれば、なんとなく関連する禁止事項といった意味で理解される内容ですが、国によっては全く理解できない文章ともいえます。

とくに、契約社会と言われる国々(主に欧米)では、規程に記載されていない項目を行って過失が問われた場合、その判断は主に裁判所が行うものであって、会社が罰するのは後々のことになります。

管理者責任を問うにしても、独立した社員個人の行動が本当に過失だったのかどうかを明確にしない限り、会社が雰囲気などで懲罰を行うことができない場合もあります。

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