ペプシバオバブ&グリーンコーラ試飲!見えてきた戦略は?

2010.05.27

営業・マーケティング

ペプシバオバブ&グリーンコーラ試飲!見えてきた戦略は?

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

 2010年5月25日、コカ・コーラがシェア№1を誇る日本のコーラ市場に、野心的な戦略を秘めた2つの商品が店頭に並んだ。Web上でも事前のニュースリリースで大きな話題を呼んでいたアサヒ飲料の「グリーンコーラ」と、毎年恒例の変わり種ペプシ「ペプシ・バオバブ」である。

 何はともあれ、買い求めて飲んでみることにする。一般のコンビニでは、店舗によって発売日と店頭配荷にタイムラグがある場合もあるので、比較的早いJRの駅ナカコンビニを見てみる。さすがに新商品と期間限定商品。狭小な店舗にもかかわらず、2フェイスずつしっかり確保している。

 ペプシ・バオバブ。蓋を開けた瞬間に炭酸ガスの強烈な音。今年、ペプシネックス用に開発された炭酸の抜けを抑制する「ガスバリア性」を向上させた、新設計多層ペットボトルを使用していることがわかる。その効果もあってか、炭酸の刺激は舌に強く、「爽やかなコーラ」という売り文句の由来がわかる。いや、それよりも刺激が強いかもしれない。しかし、味には癖がなく印象が希薄だ。変わり種ペプシ独特の「ケミカルさ」は全くなく、甘味料を使ったゼロ系コーラに慣れていると、素直な甘味が実に美味しく感じる。

 アサヒ飲料は、「グリーンコーラ」を皮切りに「大人炭酸シリーズ」を展開していくとしており、そのフラッグシップともなる大型商品と位置づけての上市と見える。テレビは氷室京介がシブくキメているCMがガンガン流れている。
 心を落ち着けてふたを開け、グラスに注いで飲む。
 コーラとしての味は少し薄味。「強い刺激」を売りにしているが、炭酸の発泡は舌にビリビリくるほどではなく、素直な感じだ。自然に喉に流れ込む爽やかさが何とも心地いい。さすがアサヒ、「のど越しコーラ」という風情で好印象だ。

 さて、両商品の味から戦略を読み解いてみたい。

 まずは、 「ペプシ・バオバブ」は、その意外な味から戦略が読み解ける。
 そもそも、キュウリ味の「ペプシ・キューカンバー」や、昨年の「ペプシ・しそ」など、衝撃の「ケミカルっぽい味わい」で市場に激震を走らせてきた「変わり種ペプシ」は、究極のチャレンジャー戦略の結晶ともいうべき商品だ。ペプシブランドを持つサントリー食品の担当課長が日経産業新聞のインタビューに昨年10月、「ペプシ・あずき」の上市後応えていた。曰く「2本目を買ってもらうことは期待していない」と。チャレンジャーはリーダーとの差別化が命である。通常1年間で企画~上市する商品を、米本国とのやりとりなどを重ね、2年を要するという変わり種ペプシの最大のミッションは、ブランド認知と話題性喚起なのである。
 変わり種ペプシは06年にスパイシーな「レッド」、トロピカルフルーツ味の「カーニバル」、ジンジャー味の「ゴールド」の3商品が展開された。07年に「キューカンバー」、08年は、「ブルーハワイ」「ホワイト」、そして昨年の「しそ」「あずき」へと続く。
 今回の「バオバブ」は、アフリカに自生する巨木バオバブの実をイメージしたとある。バオバブは「星の王子様」に出てくる木でもあるが、イメージできる人は多くはないだろう。ましてや、「実がなるんだ!」という感じであり、さらにその味など想像の範囲には全くない。
 味の想像がつかないという意味では、05年のシリーズをさらに強化した感じであるが、実際の味はネット上の評価は概ね「オイシイ」である。謎な巨木の実からインスパイアされたという触れ込みで、どんな衝撃の味かと思えば「あれ?オイシイ」となる。前回の「あずき」は、少々甘過ぎな感じはするものの、結構オイシイという評価であった。その意味からも、今回は「思い切りすごい味に違いない!」という前評判をサクッと裏切った形だ。
 この「いい意味での裏切り」がチャレンジャー魂健在の証だろう。「この味なら、定番化できるんじゃないの?」と思ってしまうが、そんなことはしないはずだ。そして、衝撃の味の商品は、今年の秋~冬に再びやってくるだろう。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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