潜在顧客をあぶり出す「ヘルシア」の巧みな販促

2010.04.30

営業・マーケティング

潜在顧客をあぶり出す「ヘルシア」の巧みな販促

竹林 篤実
コミュニケーション研究所 代表

潜在顧客にどうやってリーチするか。これはマーケティングの永遠のテーマ。費用対効果のもっとも高いのが、ターゲットに手を挙げてもらうこと。うまくやりそうなのがヘルシアだ。

成長期でシェア競争が激しくなった業界

花王が健康訴求型飲料「ヘルシア」の販促に力を入れる。この手のドリンクは、いま結構たくさんあり競争が激しくなっているようだ。いわゆる特保、特定保健用食品の表示許可を得ているものを楽天市場で探してみると、ざっと60種類ほどある(→ http://item.rakuten.co.jp/nakae/c/0000000143/)。

特定保健用食品の市場動向については、日本健康・栄養食品協会にデータがある(→ http://www.jhnfa.org/tokuho2009.pdf)。これによれば、その市場規模は1997年の1215億円が10年で6798億円、ざっと5倍にふくらんだ。

ただ2009年度は5494億円と2年前と比べて1300億円ほど落ち込んでいる。おそらく不況の影響で、支出を切り詰めた人が多いからだろう。ただ市場の成長カーブを見ても、2007年時点がほぼ頂点に近いようだ。マーケットライフサイクルでいえば、このあたりで成長期後半に入ったのではないか。

新規参入についても同様の動きがみてとれる。年度別の許可品目数推移を見ると、やはり97年から右肩上がりで増えており、こちらも07年にピークを迎えているようだ。マーケティングの教科書通り、成長期特有の現象が起こっている。新規参入の増加によるシェア競争の激化、そしてもしかしたらそろそろ淘汰が始まりかけているのかもしれない。

潜在ターゲットを直撃するイベント

こうした市場環境の下で花王は、ヘルシアの販促としてイベントプロモーションを実施する。これがよく考えられたうまい戦術だと思う。

ヘルシアの潜在ターゲットは、健康に関心がある人たちだ。しかも、経済面だけでなく時間的にもそこそこゆとりのある人たちだろう。彼らが参加しそうなイベントは何か。ウオーキングイベントがぴったりではないか。

激しい運動はつらい。しかし健康は維持したい。そう望む人たちにとってはウオーキングぐらいがちょうどよい。そこで日本ウオーキング協会と提携したイベントを開催する。イベントに集まってくる人たちは、ヘルシアのターゲットとしてドンぴしゃの人たちばかりだ。

ターゲットに自ら手を挙げてもらうプロモーションとしては、以前、名古屋に高島屋が進出したときのケースを紹介したことがある。富裕層のリスト化を狙った超高額福袋作戦だ。ターゲットがきちんと絞り込まれていれば、イベントはお客さんの方から手を挙げてもらう手段として有効だ。

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